輸入車ディーラーを展開するウイルプラスホールディングスは2024年10月16日、取締役会においてオリオン自動車販売株式会社の発行済株式の100%を取得し子会社化するため、株主との間で株式譲渡契約を締結することを決議したと公表しました。

開示された事実

譲受(買い手)株式会社ウイルプラスホールディングス(3538・東証スタンダード)
譲渡対象オリオン自動車販売株式会社(自動車、自動車用品・部品等の販売(輸入車の正規ディーラー))
所在地鹿児島県鹿児島市
手法株式取得(個人株主6名から発行済株式の100%を取得。譲渡価格調整条項あり)
対価普通株式133百万円(開示資料に「株式譲渡契約には譲渡価格調整条項が設けられているため、基準となる金額を記載」と注記)
日程取締役会決議・契約締結 2024年10月16日/株式譲渡実行日 2024年12月1日(予定・みなし取得日は2024年12月末の予定)

開示資料によれば、取得株式数は20,000株で発行済株式に対する割合は100.0%、取得価額は普通株式133百万円です。株式譲渡契約には譲渡価格調整条項が設けられているため、記載した取得価額は基準となる金額であると注記されています。株式の取得先は個人6名です。対象会社は1966年6月設立、資本金10百万円で、純資産は直近3期で180百万円、215百万円、203百万円、売上高は1,632百万円、1,839百万円、1,524百万円、営業利益は77百万円の損失、3百万円、32百万円の損失です(出典:株式会社ウイルプラスホールディングス 2024年10月16日公表資料)。

取得の理由として同社は、中長期成長戦略の柱としてM&Aによる事業拡大を目指していること、本件は輸入車メーカーの日本法人が推進するネットワーク戦略に基づくものであり、自社の連結子会社が同ブランドの正規ディーラーとして九州で高いシェアを維持してきた長年の貢献と信頼関係が評価されたことで株式取得に至ったことを挙げています。

同社は前年に事業譲受で同ブランドの2拠点を開始しており、今回新たに2拠点を取得することで九州エリアでのシェア拡大が可能になるとしています。地域に集中する戦略の加速により、グループ全体の販売網と基盤の強化にもつなげるとしています。

出典: 株式会社ウイルプラスホールディングス(TDnet適時開示。TDnetでの公開期間が終了しているため、URLは株探が保存する原本PDF)「株式の取得(子会社化)に向けた株式譲渡契約締結に関するお知らせ」(2024年10月16日公表)

中小企業の経営者は、どう読むか

買い手が「メーカーのネットワーク戦略に基づく」と明記しています。誰に売るかを売り手だけで決められない業種があるということです。特定のメーカーの看板を掲げて商売をしている会社では、メーカーの承認や意向が相手選びに関わります。

しかも買い手が選ばれた理由は、同じブランドで長年実績を積んできたことでした。売り手から見れば、メーカーとの関係が良い相手のほうが承認を得やすいということになります。看板を借りている業種では、この点を早く確認しておくことになります。

価格に調整条項が付いており、記載された金額は基準額だと注記されています。契約から実行までの間の資産や負債の増減を精算する仕組みです。渡す側にとっては、その期間の資金の動かし方が最終の受取額に響きます。

対象会社は直近の期が営業赤字で、売上も落ちています。それでも一億円を超える値段がつきました。買い手が見ているのは、その地域でそのブランドを売る権利と拠点です。損益の単年の数字だけで判断する必要はありません。

株主は個人六名に分かれていました。創業から六十年近い会社では、相続などを経て株式が広がっていることが多く、全員から同意を得るには時間がかかります。譲渡を考え始めた時点で株主名簿を確かめることになります。

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本記事は、各社が公表した適時開示資料などの一次情報を当社が要約したものです。当社の成約実績ではなく、当社が関与した案件でもありません。記載の事実は公表日時点のもので、その後変更されることがあります。詳細は出典の資料をご確認ください。