東急不動産ホールディングスとその完全子会社は2024年11月14日、東京証券取引所グロース市場に上場するリニューアブル・ジャパン株式会社の株券等を公開買付けにより取得することを決議したと公表しました。対象会社株式を非公開化することを目的とした一連の取引の一環です。

開示された事実

譲受(買い手)東急不動産ホールディングス株式会社(完全子会社の東急不動産株式会社が公開買付者)(3289・東証プライム)
譲渡対象リニューアブル・ジャパン株式会社(東証グロース)(再生可能エネルギー発電所の開発・運営)
所在地東京都
手法公開買付け(TOB)。非公開化を目的とし、あわせて対象会社の筆頭株主である代表取締役社長の資産管理会社の全株式を別途取得する(その保有分は公開買付けに応募しない「不応募株式」)
対価普通株式1株1,250円。新株予約権は1個1円。買付代金18,673,615,000円(買付予定数14,938,892株×1,250円)。買付予定数の下限4,400,700株(所有割合14.45%)、上限なし
日程取締役会決議 2024年11月14日/公開買付開始公告・届出書提出 2024年11月15日/買付け等の期間 2024年11月15日〜2025年1月8日(34営業日)/決済の開始日 2025年1月16日

買付価格は普通株式1株1,250円です。開示資料には、買い手が当初1,150円(2024年10月22日の終値565円に対して103.54%のプレミアム)を提案し、対象会社から「株価推移や本源的価値を踏まえて一般株主にとって十分なものではない」として再検討を要請され、最終的に1,250円となった経緯が記載されています(出典:東急不動産ホールディングス株式会社 2024年11月14日公表資料)。新株予約権の買付価格は1個1円で、役員・従業員等の地位にあることが権利行使条件であるため買い手が取得しても行使できないと解されることが理由として挙げられています。

買付代金は18,673,615,000円で、買付予定数14,938,892株に買付価格1,250円を乗じた金額です。買付予定数の下限は4,400,700株(所有割合14.45%)で、上限は設定されていません(出典:東急不動産ホールディングス株式会社 2024年11月14日公表資料)。

対象会社の筆頭株主は、代表取締役社長とその親族2名が発行済株式の全てを所有する資産管理会社で、対象会社株式11,021,700株(所有割合36.20%)を保有しています(出典:東急不動産ホールディングス株式会社 2024年11月14日公表資料)。この株式は公開買付けに応募せず、買い手は公開買付けの成立を条件に、別途この資産管理会社の発行済株式の全てを取得する契約を締結しています。

開示資料は、この資産管理会社の株式の譲渡価額について、不応募株式に公開買付価格1,250円を乗じた金額13,777,125,000円に、譲渡日における資産管理会社の資産の簿価(保有する対象会社株式を除く)を加算し、負債の簿価を控除した額になると記載しています(出典:東急不動産ホールディングス株式会社 2024年11月14日公表資料)。そのうえで、応募した場合に受領するのと同等の経済的価値を受領することになるため、公開買付価格の均一性規制に反しないと判断したとしています。買付け等の期間は34営業日です。

出典: 東急不動産ホールディングス株式会社(TDnet適時開示。TDnetでの公開期間が終了しているため、URLは株探が保存する原本PDF)「東急不動産ホールディングス株式会社の完全子会社(東急不動産株式会社)によるリニューアブル・ジャパン株式会社に対する公開買付けの開始に関するお知らせ」(2024年11月14日公表)

中小企業の経営者は、どう読むか

この案件でいちばん中小企業に近いのは、筆頭株主が「社長とその親族が持つ資産管理会社」だったという点です。自社株を個人で持たず、持株会社を挟んでいる形です。この場合、渡すものは自社株ではなく、その持株会社の株式になります。

そして買い手は、その持株会社ごと買っています。持株会社の中には自社株のほかにも資産と負債があるので、値段は「自社株の分+そのほかの資産−負債」で計算されています。持株会社を挟んでいると、渡すときの計算が一段増えるということです。中に何が入っているかを整理しておく必要があります。

新株予約権の買付価格が一個一円です。理由も書かれています。役員や従業員である間しか行使できない条件が付いているため、買い手が取得しても行使できないからです。ストックオプションを出している会社は、それが譲渡のときにいくらになるのかを先に確かめる必要があります。ゼロに近い金額になることもあります。

価格は、対象会社側の要請で上がっています。「株価推移や本源的価値を踏まえると十分ではない」という断り方です。根拠を示して返すという作業があって、この差が生まれています。

公開買付けの期間が三十四営業日と長めに設定されています。考える時間と、他に買いたい人が出てくる余地を残すためです。売り手側から見れば、比べる機会が増えるということです。

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本記事は、各社が公表した適時開示資料などの一次情報を当社が要約したものです。当社の成約実績ではなく、当社が関与した案件でもありません。記載の事実は公表日時点のもので、その後変更されることがあります。詳細は出典の資料をご確認ください。