ホームセンターなどを展開するアークランズは2025年2月28日、ペッツファーストホールディングス株式会社の全株式を取得し完全子会社化することを取締役会で決議したと公表しました。取得は現金を対価とする既存株主からの譲渡によります。
開示された事実
| 譲受(買い手) | アークランズ株式会社(9842・東証プライム) |
|---|---|
| 譲渡対象 | ペッツファーストホールディングス株式会社(傘下7社)(ペット販売およびアフターサポート、動物病院の運営、ペット保険) |
| 所在地 | 東京都目黒区 |
| 手法 | 株式取得(現金を対価とする既存株主からの譲渡により全株式を取得し完全子会社化) |
| 対価 | 非公表(開示資料に「相手方の意向により控える」と記載) |
| 日程 | 取締役会決議 2025年2月27日/契約締結日 2025年2月28日/株式譲渡実行日 未定 |
開示資料によれば、取得株式数は1,000株で議決権割合は100.0%、取得価額は相手方の意向により控えるとされ、株式譲渡の実行日は未定とされています。対象会社は2021年12月設立、資本金1百万円で、株式は個人1名が100%保有しています。傘下7社を合算し連結消去を反映した参考値として、売上高は15,260百万円、14,749百万円、直近は8か月で10,035百万円、営業利益は75百万円、1,123百万円、387百万円です。この連結指標はデューデリジェンスの結果を基に記載したものと注記されています(出典:アークランズ株式会社 2025年2月28日公表資料)。
対象会社はペッツファースト株式会社などを傘下に、ペット販売からアフターサポート、動物病院、ペット保険まで手がけ、104拠点のペット販売店および動物病院等を展開しています(出典:アークランズ株式会社 2025年2月28日公表資料)。
取得の目的として同社は、住と食に関する事業拡大にあたり新規出店に加えてM&Aを行うことを基本方針としていること、注力するペット事業で専門性の高い品揃えと動物病院・ペットサロンを備えた店舗の拡大に取り組んでいること、本件はペット事業における市場拡大・製品ラインナップ強化・事業基盤の強化・コスト削減等を目的としており、自社のホームセンターのネットワークと対象会社のペット販売やサプライチェーン構築のノウハウを活用することを挙げています。
中小企業の経営者は、どう読むか
持株会社の資本金はごくわずかで、設立も数年前です。会社の形としては新しく、小さく見えます。しかしその下に多数の店舗と動物病院を抱えるグループがあります。会社の登記上の数字と、その会社が実際に動かしている事業の大きさは、まったく別ものだということです。
対象会社に連結の決算が存在しないため、買い手は傘下すべての会社の数字を合算し、内部取引を消して自分で連結の指標を作っています。開示にもデューデリジェンスの結果を基にした数値だと書かれています。グループで会社を分けて営んでいる場合、買い手はこの作業を必ず行うことになり、資料の揃い方がそのまま調査の期間に影響します。
契約は締結済みですが、株式譲渡の実行日は未定とされています。契約してから実行までの条件が残っているということです。譲渡は契約した日に終わるものではなく、条件を満たした日に完了します。何が条件になっているかは、契約書で最も重要な部分のひとつです。
買い手はホームセンターを営んでおり、その売場の延長ではなく専門の事業として引き継いでいます。異業種に見える相手でも、扱う商品や客層が重なっていれば買い手になります。自社の商品を売っている別業態の会社は、候補として考えておいてよい相手です。