AZ-COM丸和ホールディングスは2024年3月21日、株式会社C&Fロジホールディングスに対する公開買付けを開始する予定であると公表しました。対象者を完全子会社化することを目的とする一連の取引の一環です。開示資料は、対象者に意向表明書を提出するとともに、対象者やその株主に意向表明書の内容及びこれまでの経緯を正しく理解してもらい、理解及び賛同を得るのに十分な検討期間を確保するためにプレスリリースを公表したと記載しています。

開示された事実

譲受(買い手)AZ-COM丸和ホールディングス株式会社(9090・東証プライム)
譲渡(売り手)応募株主(公開買付け)
譲渡対象株式会社C&Fロジホールディングス(東証プライム・コード9099)(貨物運送事業、倉庫事業等を行う傘下子会社及びグループ会社の経営管理並びにこれに関連する事業)
所在地東京都新宿区
手法公開買付けの開始予定。対象者を完全子会社化する一連の取引の一環。公開買付者は対象者に意向表明書を提出し、対象者やその株主の理解及び賛同を得るのに十分な検討期間を確保するためにプレスリリースを公表したと記載。開始は前提条件の全てが充足された場合
対価1株あたり3,000円。買付予定数21,720,798株に対する買付代金は65,162,394,000円。決済には自己資金(2024年3月19日現在の公開買付者の預金額23,988百万円)及びみずほ銀行からの借入金(670億円を上限)を用いる予定で、同行から670億円を上限として融資を行う用意がある旨のコミットメントレターを2024年3月19日付で取得したと記載
日程2024年3月21日 公表・意向表明書の提出/2024年5月上旬を目途に公開買付けを開始(独占禁止法に基づく手続の完了を前提)/公開買付期間は20営業日を予定

公開買付価格は1株あたり3,000円です。買付予定数は21,720,798株で、買付代金は65,162,394,000円です。開示資料は、本日以降の株式数の変動等により実際の買付予定数の数値が異なった場合には変動する可能性があると記載しています(出典:AZ-COM丸和ホールディングス株式会社 2024年3月21日公表資料)

買付予定数の下限は10,848,304株(所有割合49.89%)です。開示資料は、これが所有割合50.00%にあたる10,872,600株から公開買付者が所有する対象者株式24,296株(所有割合0.11%)を控除した株式数であると記載しています(出典:AZ-COM丸和ホールディングス株式会社 2024年3月21日公表資料)

決済には自己資金とみずほ銀行からの借入金を用いる予定です。開示資料は、2024年3月19日現在の公開買付者の預金額が23,988百万円であること、公開買付けが成立した場合には決済の開始日の前営業日までに買付代金及びその他買付手数料等の資金として670億円を上限として借入を受ける予定であること、同行から670億円を上限として融資を行う用意がある旨のコミットメントレターを2024年3月19日付で取得していることを記載しています(出典:AZ-COM丸和ホールディングス株式会社 2024年3月21日公表資料)

対象者は、所在地が東京都新宿区若松町33番8号、事業内容が貨物運送事業、倉庫事業等を行う傘下子会社及びグループ会社の経営管理並びにこれに関連する事業、資本金が4,000百万円(2023年12月31日現在)、設立年月日が2015年10月1日です。大株主には信託銀行のほか、食品メーカー、乳業会社、金融機関、損害保険会社、従業員持株会、取引先持株会が並んでいます(出典:AZ-COM丸和ホールディングス株式会社 2024年3月21日公表資料)

開示資料は経緯について、公開買付者が2024年1月中旬に、経営統合の提案が対象者にとっても大きなシナジーの創出が見込まれる提案であり、社会的課題でもある物流業界全体の課題の解決に資すると考えるに至ったこと、経営統合よりも完全子会社化のほうが想定されるシナジーを早期に実現できるため本取引が両社の株主、顧客、従業員及びその他ステークホルダーに大きな利益をもたらすとの結論に達したことを記載しています。

開示資料は、経済産業省の企業買収行動指針に言及し、経営支配権を取得する旨の買収提案を受領した場合には速やかに取締役会に付議又は報告することが原則であり、付議された取締役会では真摯な買収提案に対しては真摯な検討をすることが基本となる旨が定められていることを引用しています。また、対象者から公開買付けの開始を延期するよう申出がなされた場合でも、現時点で開始を延期する予定はないと記載しています。

出典: AZ-COM丸和ホールディングス株式会社「株式会社C&Fロジホールディングス(証券コード:9099)に対する公開買付けの開始予定に関するお知らせ」(2024年03月21日公表)

中小企業の経営者は、どう読むか

相手の同意を先に得ずに、買う意向を表に出した取引です。意向表明書を出して公表しています。

相手の取締役会は、この提案を検討する立場に置かれます。断るにも理由が要ります。

開示は、国が出した指針を引いて、真摯な提案には真摯な検討をするのが基本だと書いています。

中小企業の譲渡では、こういう形は起きません。株主が少ないので、同意がなければ話が始まりません。

逆に言えば、株主が多い会社になると、売る側が売らないと決める力は弱まります。

買い手は手元の現金が二百四十億円で、買付代金は六百五十億円です。足りない分は借入です。

銀行から融資の用意がある旨の書面を先に取っています。これがないと、買える証明ができません。

買い手が本気かどうかは、資金の裏づけをどこまで示したかで見ます。言葉だけでは測れません。

この業種のM&A・事業承継のページを見る

本記事は、各社が公表した適時開示資料などの一次情報を当社が要約したものです。当社の成約実績ではなく、当社が関与した案件でもありません。記載の事実は公表日時点のもので、その後変更されることがあります。詳細は出典の資料をご確認ください。