エキサイトホールディングスは2024年10月28日、取締役会においてONE MEDICAL株式会社の株式を取得して子会社化すること、および資金の借入を決議したと公表しました。
開示された事実
| 譲受(買い手) | エキサイトホールディングス株式会社(5571・東証グロース) |
|---|---|
| 譲渡対象 | ONE MEDICAL株式会社(オンライン診療支援事業、メディア事業) |
| 所在地 | 東京都港区 |
| 手法 | 株式取得(個人株主2名から全株式を取得し子会社化。あわせて資金の借入を決議) |
| 対価 | 普通株式3,862百万円、デューデリジェンス費用等の概算額17百万円、合計の概算額3,879百万円 |
| 日程 | 取締役会決議 2024年10月28日/契約締結日 2024年10月29日(予定)/株式譲渡実行日 2024年11月1日(予定) |
開示資料によれば、取得株式数は5,290,478株で取得後の議決権所有割合は100.0%、取得価額は普通株式が3,862百万円、デューデリジェンス費用等の概算額が17百万円、合計の概算額は3,879百万円です。対象会社は2014年3月設立、資本金15百万円で、株主は個人が79.8%、ほかに個人株主1名が20.2%を保有しています。うち1名については相手先の意向により非開示とされています(出典:株式会社エキサイトホールディングス 2024年10月28日公表資料)。
取得価額と同額の3,862百万円を金融機関から借り入れる予定で、借入の契約締結日は2024年10月30日(予定)、借入日は2024年11月1日(予定)、返済期日は2031年10月31日(7年間)です(出典:株式会社エキサイトホールディングス 2024年10月28日公表資料)。
同社はプラットフォーム事業として、オンライン診療支援のマウスピース歯科矯正サービスとメディア事業を運営しており、2021年7月に新規事業として開始したサービスが順調に拡大していると記載されています。
取得の理由として同社は、既存事業の成長を実現しながら、収益基盤を活用した新たな事業の柱の構築とM&Aによる事業ポートフォリオの強化を図り、持続的な成長を目指していることを挙げています。
中小企業の経営者は、どう読むか
買い手は株式の取得と同時に、資金の借入も取締役会で決議しています。手元資金だけでは足りない規模だということです。融資を前提とする案件では、金融機関の判断が日程を左右します。相手の資金の当てを聞いておくのは失礼なことではありません。
株主は二人で、比率は八割と二割でした。一方の氏名は相手の意向で非開示です。少数側の株主にも売る・売らないの判断があるので、全株式を渡すには両方の合意が要ります。比率が小さいほうの意思を確かめずに話を進めると、あとで止まります。
対象会社は設立から十年ほどで、資本金は小さく、事業も比較的新しいものです。それでも数十億円の値段がつきました。買い手が見ているのは資本金でも社歴でもなく、その事業が伸びているかどうかです。
デューデリジェンス費用が取得価額と並べて開示されています。調べるための費用は買う側にも必ずかかります。売る側も、相手が費用をかけて調べる前提で資料を整えておくと、期間が短く済みます。
買収に必要な資金の全額を、同じ金額のまま金融機関から借り入れています。返済期間は数年にわたります。買い手が手元資金で買うのか借りて買うのかは、日程にも条件にも影響します。融資が前提の案件では、金融機関の判断が入るまで実行が確定しません。相手の資金の当てを聞くのは、失礼なことではなく確認すべきことです。