宝ホールディングスは2024年11月19日、子会社の宝酒造インターナショナル株式会社が同日開催の取締役会において、ドイツの食材卸売会社Kagerer & Co. GmbH(カーゲラー社)の持分を取得することを決議したと公表しました。
開示された事実
| 譲受(買い手) | 宝ホールディングス株式会社(子会社の宝酒造インターナショナル株式会社が取得)(2531・東証プライム市場) |
|---|---|
| 譲渡対象 | Kagerer & Co. GmbH(カーゲラー社)(米、調味料、和酒などの食材卸(冷凍魚介類など水産品に強み)) |
| 所在地 | ドイツ |
| 手法 | 持分取得(持分の90%を取得して連結子会社化) |
| 対価 | 111,240千ユーロ |
| 日程 | 2024年11月19日 取締役会決議(子会社の宝酒造インターナショナル株式会社の取締役会) |
開示資料によれば、異動前の所有持分は0%、取得持分は90%、異動後の所有持分は90%です。取得価額は111,240千ユーロです(出典:宝ホールディングス株式会社 2024年11月19日公表資料)。
対象会社は米、調味料、和酒などの取り扱いに加えて、世界規模の調達ルートを持つ冷凍魚介類など水産品に強みを持つ食材卸として、ドイツならびに欧州において地位を築いていると記載されています。
買い手は、ドイツがEU加盟国で最大の人口(84百万人)と経済を有しており日本食のマーケットとして魅力的なエリアとなっていること、2023年の日本からドイツ向けの農林水産物・食品輸出額が2019年比で161.1%(EUは146.5%)と拡大していること、日本食レストランは1,220店と推計され欧州4位の規模となっていることを挙げています。本件による2026年3月期連結業績への影響は軽微と見込んでいます(出典:宝ホールディングス株式会社 2024年11月19日公表資料)。
中小企業の経営者は、どう読むか
買い手が取得したのは全部ではなく、一部を売り手に残しています。事業を動かしてきた人が株主として残る形は、引き継ぎのあいだ現場が回るようにするためによく使われます。あとで残りをどうするかを決めておくかどうかで、後年の話の難しさが変わります。
買っているのは株式ではなく持分です。国や会社の器の種類によって、譲る対象の呼び名が変わります。日本でも合同会社であれば持分になるので、自社がどの器なのかによって手続きが変わってきます。
買い手は、相手の商品の強みとして水産品の調達ルートを挙げています。何を売っているかではなく、どこから仕入れられるかが値打ちになっている形です。仕入先との関係が自社の強みであるなら、それは価格の話の前に説明しておくところです。
買い手が挙げた理由は、その国で日本食の需要が伸びていることでした。売り手の会社そのものより、その会社が置かれた市場の伸びを見ています。自社の業界が伸びている局面かどうかは、相手の関心の強さに直結します。