西武ホールディングスは2025年1月16日、投資運用会社が管理・運営する投資事業有限責任組合から、同組合が保有する奥ジャパン株式会社の全株式を取得し子会社化したと公表しました。取得時期は2024年12月、取得方法は当該組合より100%取得と記載されています(出典:株式会社西武ホールディングス 2025年1月16日公表資料)。開示資料に取得価額の記載はありません。
開示された事実
| 譲受(買い手) | 株式会社西武ホールディングス(9024・東証プライム) |
|---|---|
| 譲渡対象 | 奥ジャパン株式会社(外国人・日本人旅行客向け国内ツアーの企画・実施(アドベンチャーツーリズム)) |
| 所在地 | 京都府京都市 |
| 手法 | 株式取得。投資事業有限責任組合から全株式を100%取得 |
| 対価 | 開示資料に取得価額の記載なし |
| 日程 | 取得時期 2024年12月/公表 2025年1月16日 |
対象会社は2015年1月28日設立、資本金3,800万円で、外国人・日本人旅行客向けの国内ツアーの企画・実施を行っています(出典:株式会社西武ホールディングス 2025年1月16日公表資料)。
開示資料によれば、対象会社は中山道や熊野古道をはじめ、東北や九州など複数エリアでツアーを展開しており、中山道及び熊野古道には支店を有し、海外経験豊富な日本人メンバーが現地に居住して地域との関係を直接築きながらツアー顧客をサポートしています。
取得の目的として買い手は、増加するインバウンドの獲得強化を目指し、自社グループのホテル・レジャー事業や都市交通・沿線事業における体験価値の提供と、対象会社のツアー造成による体験価値の創出ノウハウのシナジーを企図したものと説明しています。
開示資料は、本株式取得による2025年3月期通期連結業績予想に与える影響は軽微としています。
中小企業の経営者は、どう読むか
売り手は投資ファンドです。ファンドは一定の期間で株式を手放す前提で投資しているので、いずれ次の株主を探します。この案件では、その次の株主が事業会社でした。ファンドに渡した会社が、その先どうなるのかという問いへの実例です。
公表は取得の翌月です。実行してから公表するという順番です。話が進んでいても外には出ていない期間があるということです。
対象会社は設立十年ほど、資本金は四千万円弱の会社です。評価されているのは規模ではなく、特定の街道や地域でツアーを作れることと、現地に人が住んで地域と関係を築いていることでした。その土地でしかできない仕事は、代わりが見つけにくい価値になります。
買い手が挙げているのは、自社のホテルや鉄道といった「場所」と、対象会社の「体験を作る力」を組み合わせるという考え方です。自社が持っているのが設備なのか、それを使う企画力なのかで、組む相手が変わります。
取得価額は開示されていません。上場企業の開示でも、規模が小さければ金額が出ないことがあります。他社の事例から自社の条件を推し量るのは難しいということです。