ポストプライムは2026年8月31日、玩具企画製造販売業を営むキューブ(東京都千代田区)の株式を取得して子会社とし、エンタメIP事業領域へ参入すること、あわせて同社へ資金を貸し付けることを公表しました。
開示された事実
| 譲受(買い手) | 株式会社ポストプライム(198A・東証グロース) |
|---|---|
| 譲渡(売り手) | 株式会社キューブの株主(開示資料に大株主の持株比率67.18%の記載があるが、氏名は本記事では記載しない) |
| 譲渡対象 | 株式会社キューブ(1995年9月1日設立、資本金1億2,630万円)(玩具企画製造販売業) |
| 所在地 | 東京都千代田区 |
| 手法 | 株式取得(子会社化)およびエンタメIP事業の開始、対象会社への資金貸付け |
| 対価 | 取得株式数1,342株、取得価額は対象会社の株式1,342円、アドバイザリー費用等(概算)1百万円、合計1百万円。取得後の議決権所有割合74.51%。決済方法は現金。あわせて事業運営に必要な資金として300百万円を貸し付ける予定 |
| 日程 | 2026年8月31日 取締役会決議・契約締結・取引実行(予定)・事業開始期日(予定)・貸付実行日(予定) |
同社は金融・経済情報プラットフォーム事業を運営しており、主力事業のSNS「PostPrime」は2021年9月のサービスリリース以降、個人投資家・資産形成層を中心とするユーザー基盤を構築してきたとしています。2026年5月25日付の開示に記載のとおり、今後の成長戦略においてはM&Aによる収益源の多角化を一つの柱と位置付け、中期成長領域としてエンタメIP分野をターゲットとしていたとされています。
取得株式数は1,342株、取得価額は対象会社の株式1,342円とアドバイザリー費用等(概算)1百万円で、合計1百万円です。取得後の所有株式数は1,342株(議決権1,342個、議決権所有割合74.51%)となります。決済方法は現金です(出典:株式会社ポストプライム 2026年8月31日公表資料)
取得価額は、対象会社の直近期業績、将来の収益計画、第三者評価(DCF法による参考評価)、ならびにグループとの事業シナジー創出効果を総合的に勘案して決定されたと記載されています。これに加えて、株式取得の実行後、同社の事業運営に必要な資金として300百万円を貸し付ける予定とされています(出典:株式会社ポストプライム 2026年8月31日公表資料)
開示資料には、キューブの売上高に占める割合が高い取引先が存在するものの、相手先との開示の同意確認が困難であることから、その名称および概要は非開示とされています。
中小企業の経営者は、どう読むか
株そのものの値段は、一株あたり一円です。千三百四十二株で千三百四十二円。会社の株を買う代金が、ほぼゼロということです。
かわりに、買ったあとで三億円を貸し付けます。株の代金ではなく、事業を動かすお金のほうに資金が要る。買い手が負う金額は、譲渡価格では測れません。
中小企業の譲渡でも、この形は珍しくありません。借入が重く純資産がマイナスの会社では、株の値段が一円になることがあります。「ゼロ円だから価値がない」ではなく、「借入ごと引き受けるから株の値段が下がる」という構造です。
売る側にとっては、株の対価はほとんど入りません。それでも、会社と従業員が続き、個人保証から外れる道があるなら、選ぶ理由はあります。手取りの額だけで判断する話ではないということです。
売上が一社の取引先に偏っていることも書かれています。買い手がいちばん気にするところです。その一社が離れたら事業が立たないなら、価格も条件も変わります。