「ご相談は無料です」「着手金0円」。この表示自体は正しくても、費用が消えたわけではありません。どこに寄っているのかを理解して比べる方法を整理します。当社もこの体系を採っている立場から、率直に書きます。

費用は前か後ろかのどちらかに寄る

仲介会社が事業として成り立つには、当然ながら収益が要ります。支払いの時期が違うだけで、費用が無くなるわけではありません。

前に寄せる体系。着手金・月額報酬を受け取り、成功報酬の料率を抑える。案件が進まなくても収益が立つため、会社としては安定します。

後ろに寄せる体系。着手金・月額報酬を取らず、中間金と成功報酬で回収する。成約しなければ収益が立たないため、会社は成約する案件に資源を集中させます。

どちらが優れているという話ではありません。依頼者にとっての意味が違うだけです。

後ろに寄せる体系の利点

依頼者から見た利点は明確です。

まとまらなかったときの持ち出しが小さい。相談したが進めなかった、候補が見つからなかった、条件が折り合わなかった。こうした場合に費用が発生しません。

始める判断がしやすい。「とりあえず話を聞く」ができます。譲渡を決めていない段階の経営者にとって、これは大きい。

会社側の動機が成約と揃う。成約しなければ収益が立たないため、進める力が働きます。

後ろに寄せる体系の不利な点

当社の体系でもある以上、不利な側も書きます。

成約時の負担が大きくなる。前払いが無い分、成功報酬の料率や最低額は高めに設定されるのが通常です。

会社側の動機が成約と揃う、ということの裏返し。成約しなければ収益が立たないため、まとめる方向に力が働きます。依頼者にとって見送るべき条件でも、進める提案がなされる可能性がある——この構造は理解しておいてください。

中間金がある場合、不成立でも戻らないことがある。次の節で詳しく書きます。

「成約まで費用0円」との違い

ここが一番混同されやすい点です。着手金・月額報酬が0円であることと、成約まで一切かからないことは、別です。

多くの会社は、基本合意の時点で中間金を受け取ります。基本合意はまだ成約ではありません。その後のデューデリジェンスで問題が出て破談になることもあります。

当社の場合、中間金は成功報酬額の10%で、成功報酬から全額を差し引きますが、基本合意後に不成立となった場合、返金はいたしません。これは依頼者にとって不利な条件であり、契約前に必ずご説明しています。

確認すべき5項目

「相談無料」と言われたら、次を聞いてください。

① 中間金はあるか。あるなら、いつ・いくら・返金されるか。

② 成功報酬の計算基準。株式価値ベースか、移動総資産ベースか。同じ料率でも金額が倍近く変わります。

③ 最低報酬額。小規模な案件では、これが実質的な費用になります。

④ 実費は別途か。

⑤ 途中で解約したらどうなるか。専任期間、解約時の費用、テール条項。

この5つに書面で答えられない会社は、その時点で判断材料になります。

ガイドラインが求めていること

中小企業庁「中小M&Aガイドライン(第3版)」(令和6年8月)は、支援機関に対して手数料の体系と算定基準を明確に説明することを求めています。

また、専任条項を設ける場合はその内容と期間を明示し、セカンドオピニオンを求めることを妨げないことも求めています。

つまり、「相談無料です」だけで終わる説明は、ガイドラインが想定する水準に達していません。無料なのは相談であって、案件全体ではないからです。

無料の範囲を確かめる

「相談無料」という言葉の範囲も、会社によって違います。

初回の面談だけが無料なのか。企業価値の試算まで無料なのか。候補先への打診まで無料なのか。

当社は、相談料・着手金・月額報酬をいただいておりません。企業価値の簡易な試算も無料でご提供しています。ご負担いただくのは基本合意時の中間金と、成約時の成功報酬です。

どこまでが無料かを、面談の場で確認してください。後から「そこからは有料です」と言われないために。

安さで選ばないほうがよい理由

費用の比較は必要ですが、それだけで決めると失敗します。

手数料が数百万円安い会社を選んで、打診先が数社で止まり、条件の悪い相手とまとまる。譲渡価格が数千万円下がれば、手数料の差は消えます。

見るべきは、候補先をどこから探すのか、誰が担当するのか、どのくらいの期間を見込むのか。そのうえで費用を比べてください。

担当者の選び方も併せてご覧ください。

当社の条件を書いておきます

最後に、比較していただくために当社の条件を明記します。

相談料・着手金・月額報酬:0円。

中間金:成功報酬額の10%(基本合意時)。成功報酬から全額差し引きますが、基本合意後に不成立となった場合、返金はいたしません。

成功報酬:移動総資産レーマン方式・最低2,000万円(税別)。基準額は株式価値(譲渡対価)+負債総額です。

料率と計算例は料金体系で公開しています。他社と比べたうえでご判断ください。

※ 本稿は一般的な考え方をご紹介するものであり、個別の法務・税務アドバイスではありません。実際の取り扱いは会社の状況や契約の定めによって異なります。専門家にご確認ください。

よくあるご質問

A.費用の支払い時期が後ろに寄っているだけです。着手金・月額報酬を取らず、中間金と成功報酬で回収します。前払いが無い分、成功報酬の料率や最低額は高めに設定されるのが通常です。
A.別の話です。多くの会社は基本合意の時点で中間金を受け取ります。基本合意はまだ成約ではなく、その後のデューデリジェンスで破談になることもあります。当社の中間金は成功報酬額の10%で、成功報酬から全額差し引きますが、基本合意後に不成立となった場合、返金はいたしません。
A.①中間金の有無・時期・金額・返金 ②成功報酬の計算基準(株式価値ベースか移動総資産ベースか) ③最低報酬額 ④実費が別途か ⑤途中解約時の扱い(専任期間・費用・テール条項)の5つです。書面で答えられない会社は、その時点で判断材料になります。
A.あります。成約時の負担が大きくなること、成約しなければ収益が立たないため「まとめる方向」に力が働くこと、中間金が不成立でも戻らない場合があることです。当社もこの体系のため、構造として明記しています。
A.費用だけで決めると失敗します。手数料が数百万円安くても、打診先が数社で止まり条件の悪い相手とまとまれば、譲渡価格の差で消えます。候補先をどこから探すのか、誰が担当するのか、期間はどのくらいかを見たうえで比べてください。

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費用の全体像から、ご説明します。

何に、いつ、いくらかかるのか。
相談料・着手金・月額報酬はいただきません。基本合意時の中間金と成功報酬については料金体系をご覧ください。

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Author & Supervisor

執筆・監修:株式会社プラチナパートナーズ 取締役副社長 神垣 宏康

東京都千代田区(日比谷)のM&A仲介・事業承継アドバイザリーファーム、株式会社プラチナパートナーズ取締役。成功報酬型のもと、中小企業の事業承継・会社売却を初回相談から成約まで一気通貫で支援しています。役員紹介・会社概要はこちら