ポートは2026年10月23日開催の取締役会において、ENECHANGE株式会社がコールセンター・オフライン事業について会社分割(吸収分割)したENECHANGEカスタマーサービス株式会社の全株式を取得し、完全子会社とすることを決議したと公表しました。株式取得の方法は、①ENECHANGEが新設したENECHANGEカスタマーサービスにコールセンター・オフライン事業を吸収分割により承継する(効力発生日2026年12月1日)、②ポートがENECHANGEより同社の全株式を取得し完全子会社化する(2026年12月1日)と記載されています
開示された事実
| 譲受(買い手) | ポート株式会社(7047・東証グロース・福証Q-Board) |
|---|---|
| 譲渡(売り手) | ENECHANGE株式会社 |
| 譲渡対象 | ENECHANGEカスタマーサービス株式会社(コールセンター・オフライン事業(ENECHANGEの家庭向けの電気・ガス切替事業のうち、カスタマー営業部が所管するコールセンターや代理店ネットワーク等のチャネルを中心とした事業を吸収分割により承継する予定の会社と記載されている)) |
| 所在地 | 東京都港区虎ノ門三丁目2番2号 虎ノ門30森ビル2階 |
| 手法 | 会社分割(吸収分割)と株式譲渡の組み合わせ。株式取得の方法として、①ENECHANGEが、新設したENECHANGEカスタマーサービスにコールセンター・オフライン事業を吸収分割により承継する(効力発生日2026年12月1日)、②ポートがENECHANGEよりENECHANGEカスタマーサービスの全株式を取得し完全子会社化する(2026年12月1日)と記載されている。ENECHANGE側の開示では、異動前の所有株式数1,000株(議決権所有割合100%)、譲渡株式数1,000株、異動後0株(同0%)とされている |
| 対価 | 取得価額は200百万円、決済方法は手元資金による現金決済と記載されている。ENECHANGE側の開示では譲渡価額200,000,000円(1株当たり200,000円)とされている |
| 日程 | 2026年10月23日 取締役会決議日/2026年10月23日 株式譲渡契約締結日/2026年12月1日 吸収分割の効力発生日/2026年12月1日(吸収分割の効力発生後) 株式譲渡実行日 |
取得価額は200百万円、決済方法は手元資金による現金決済とされています(出典:ポート株式会社 2026年10月23日公表資料)
対象会社であるENECHANGEカスタマーサービスは東京都港区虎ノ門に所在し、コールセンター・オフライン事業を事業内容としています。資本金は1円、設立は2026年9月24日、純資産および総資産はいずれも1円で、2026年9月に設立した新会社であるため確定した最終事業年度はないと記載されています。ENECHANGEが簡易吸収分割により新設会社に承継する予定の資産・負債の帳簿価額は、流動資産5百万円・流動負債5百万円(2026年3月31日現在)とされ、子会社化時点では金額が変動する可能性があると注記されています(出典:ポート株式会社 2026年10月23日公表資料)
株式取得の相手先であるENECHANGEは東京都港区虎ノ門に所在し、エネルギー流通プラットフォーム事業を事業内容としています。資本金は21百万円、設立は2015年4月27日、純資産は4,781百万円、総資産は7,657百万円(2026年3月末現在)と記載されています(出典:ポート株式会社 2026年10月23日公表資料)
売り手であるENECHANGEは同日、連結子会社の異動(株式譲渡)および特別利益の計上に関するお知らせを公表しました。異動前の所有株式数は1,000株(議決権所有割合100%)、譲渡株式数は1,000株、譲渡価額は200,000,000円(1株当たり200,000円)、異動後の所有株式数は0株(議決権所有割合0%)とされています。譲渡価額は、本事業の直前事業年度(2026年3月期)の経営成績及び財政状態の実績、今後3年間(2027年3月期〜2029年3月期)の見込み、並びに譲渡先にて実施したデューディリジェンスの結果等を踏まえ、譲渡先と協議のうえ決定しており、妥当な金額と判断していると注記されています(出典:ENECHANGE株式会社 2026年10月23日公表資料)
ENECHANGEカスタマーサービスは本株式譲渡により2026年12月1日をもってENECHANGEの連結の範囲から除外され、これに伴い2027年3月期において約200百万円の特別利益を計上する見込みと記載されています。一方、連結の範囲からの除外に伴う営業損益への影響もあることから、2027年3月期の連結業績に与える影響については現在精査中であり、確定次第速やかに知らせるとされています。譲渡の対象となるのは営業損失を計上している部分であるとも記載されています(出典:ENECHANGE株式会社 2026年10月23日公表資料)
ポート側の開示は株式取得の背景および理由について、同社グループが企業の経営課題である成約活動に対し、集客から成約までのKPIを負うことで成約時に報酬が発生する成果報酬型モデルとなる成約支援事業を展開していると記載しています。エネルギー領域では電力・ガス事業者の成約支援や業務支援サービスを提供しており、2022年1月に株式会社INE、2023年7月に株式会社Five Lineを買収し、2024年11月に株式会社ライフアップ、2024年12月に株式会社エンクスと資本業務提携を行ってきたとされています。
ENECHANGEとは2025年2月に業務提携契約を締結しており、締結後はENECHANGEのコールセンター・オフライン事業がポートと同じく個人ユーザーの引越しを契機にした電力・ガスの新規契約の成約支援を行っていたと記載されています。今回の完全子会社化により、商流連携を行っていたものから商流統合を行うとされ、完全子会社化後はENECHANGEカスタマーサービスが保有する30社を超えるパートナー企業を経由した新規ユーザー獲得オペレーションの確立や、不動産管理会社向けのシステムソリューション等をグループに取り込むと記載されています。
日程は2026年10月23日が取締役会決議日および株式譲渡契約締結日、2026年12月1日が吸収分割の効力発生日と株式譲渡実行日(吸収分割の効力発生後)とされています。
出典: ポート株式会社「ENECHANGE株式会社の新設会社の株式取得(子会社化)に関するお知らせ」(2026年10月23日公表)・適時開示
あわせて参照した出典: ポート株式会社「ENECHANGE株式会社の新設会社の株式取得(子会社化)に関する補足説明資料」(2026年10月23日公表)・適時開示/ENECHANGE株式会社「連結子会社の異動(株式譲渡)及び特別利益の計上に関するお知らせ」(2026年10月23日公表)・適時開示
中小企業の経営者は、どう読むか
事業を切り出して新しい会社に入れ、その会社の株式を渡した事例です。
事業譲渡ではなく、会社ごと渡す形になっています。
受け皿の会社は、この取引のために作られたばかりです。
資本金も資産も、分割するまでは名目だけの額です。
買い手と売り手は、その前に業務提携を結んでいました。
一緒に仕事をしてから、資本の関係に進んでいます。
中小企業の譲渡でも、この順番は使えます。
取引を通じて互いの中身が見えていると、調査の負担が軽くなります。
売る側から見れば、渡す事業の範囲を先に切り分けておけるかが分かれ目になります。