「会社を買い取ってほしい」——検索でこの言葉に行き着かれた方に向けて書いています。買取・譲渡・M&Aは、立場が違うだけで同じことを指しています。買う側から見れば買収、売る側から見れば譲渡です。本稿では、買い取ってもらう側の立場で、相手の探し方と、進める前に確認しておくべきことを整理します。

誰が買い取るのか

会社を買い取る相手は、大きく次のように分かれます。

相手買う目的譲る側から見た特徴
同業の会社規模の拡大、地域の補完、人材の確保事業を理解してもらいやすい。従業員の受け入れも進みやすい
異業種の会社新規事業への参入、許認可の取得高く評価されることがある一方、現場の理解に時間がかかる
取引先仕入・販売の安定、一貫体制の構築関係が既にある。ただし条件面では慎重な交渉が必要
個人独立、事業の承継小規模な案件で成立しやすい。資金の裏付けの確認が要る

「買取業者」という言い方をされることがありますが、会社の買取は、中古品の買取のように定価で即座に成立するものではありません。相手を探し、条件を交渉し、調査を経て成立するまでに数か月から1年程度を要するのが通常です。

何を買い取ってもらうのか|株式か、事業か

「会社を買い取ってもらう」といっても、二つの形があります。

株式譲渡は、会社そのものを丸ごと引き継いでもらう形です。法人格が残るので、契約も許認可も従業員の雇用も原則そのまま続きます。オーナーが会社から完全に離れたい場合は、この形が基本になります。

事業譲渡は、事業の一部または全部を切り出して渡す形です。一部の事業だけ手放したい場合や、買い手が特定の債務を引き継ぎたくない場合に使われます。ただし契約や許認可を個別に移す必要があり、手間がかかります。

どちらが適しているかは、目的と会社の状況によります(「株式譲渡と事業譲渡の違い」)。

相手はどうやって探すのか

自分で相手を見つけるのは、現実には難しいところがあります。会社を手放そうとしている事実が知られること自体が、事業に影響するからです。

取引先や従業員に伝われば、契約の見直しや人材の流出につながりかねません。だからこそ、相手探しは社名を伏せた状態(ノンネーム)から始めます。業種・地域・規模といった最小限の情報だけを候補先に示し、関心を持った相手とだけ秘密保持契約を結んで、詳細を開示していきます。

この段取りを自分で組むのは負担が大きいため、仲介会社やFAといった支援機関を使うのが一般的です。違いは「M&A仲介とFAの違い」で解説しています。公的な相談先として事業承継・引継ぎ支援センターもあります。

なお、営業の電話やダイレクトメールで買取を持ちかけられることがあります。それ自体が悪いわけではありませんが、相手がどの立場で関わるのか(仲介か、FAか、買い手本人か)を最初に確かめてください。買い手本人であれば、当然ながら買い手の利益のために動きます。見分け方は「M&Aの営業電話・DMがしつこい」で扱っています。

進める前に確認すること

支援機関に依頼する前に、次を確認してください。

  • 費用の総額——着手金・月額報酬・中間金・成功報酬。成約しなかった場合に何が残るか
  • 報酬の算定基準——何に料率を掛けるのか(株式価値か、負債を含めた金額か)
  • 最低報酬額——小規模な譲渡ほど、対価に対する比率が高くなります
  • 契約の期間と解除——専任か、期間はどれだけか、途中でやめられるか
  • テール条項——契約終了後、紹介された相手と成約した場合の扱い

中小企業庁の「中小M&Aガイドライン(第3版・令和6年8月)」も、支援機関が手数料の算定基準と支払時期を契約前に明確に説明することを求めています。説明を曖昧にしたまま契約を急がせる相手には、慎重になったほうがよいでしょう。

あわせて、担当者が誰かを確認してください。会社の看板ではなく、実際に動く人によって進み方は変わります。初回の面談で、その人がどこまで理解して話しているかは分かります。「仲介会社に必ず聞くべき質問」に確認項目をまとめています。

当社の場合

参考までに、当社の条件を明記します。

  • 相談料・着手金・月額報酬:0円
  • 成功報酬:移動総資産レーマン方式(基準額=株式価値+負債総額)・最低2,000万円(税別)
  • 料率:5億円以下5% / 5〜10億円4% / 10〜50億円3% / 50〜100億円2% / 100億円超1%(基準額に段階適用)
  • 中間金:基本合意時に成功報酬額の10%。成約時に成功報酬から全額を差し引きます。基本合意後に不成立となった場合、返金はいたしません

最低報酬額がありますので、規模によっては当社の仲介が適さない場合があります。その際は、公的機関への相談など他の方法をお伝えしています。詳細は料金体系をご覧ください。

まとめ|急がされる話ではありません

要点を整理します。

  • 買取・譲渡・M&Aは立場が違うだけで同じこと
  • 株式譲渡か事業譲渡か、目的によって形が変わる
  • 相手探しは社名を伏せた状態から始める。自力では負担が大きい
  • 依頼前に、費用の総額・算定基準・最低報酬額・契約条件を確認する
  • 成立まで数か月から1年程度。即座に決まるものではない

ご相談の段階で費用はいただきません。売ると決めていない段階でのご相談も承っています。まずは現状をお聞かせください。

よくあるご質問

A.会社の買取は、相手探し・条件交渉・調査を経て成立するもので、数か月から1年程度かかるのが通常です。即座に現金化できるものではありません。お急ぎの事情がある場合は、その前提で進め方をご相談ください。
A.可能な場合があります。買い手が見ているのは過去の損益だけではなく、役員報酬などを調整した後の実質的な収益力、許認可、人材、顧客基盤だからです。ただし赤字の原因が構造的なものか一時的なものかで評価は変わります。
A.社名を伏せた状態から相手を探しますので、初期の段階で広く知られることは通常ありません。ただし調査や面談が進む過程で、一部の方に開示が必要になる場面はあります。誰にいつ伝えるかは、あらかじめ設計して進めます。

Free Consultation

売ると決めていない段階でも、承ります。

現状を伺ったうえで、進め方の選択肢をお伝えします。相談料・着手金・月額報酬は0円です。基本合意時の中間金と成功報酬については料金体系をご覧ください。
メール(info@platinumpartners.jp)でも承ります。

無料相談を申し込む

Author & Supervisor

執筆・監修:株式会社プラチナパートナーズ 取締役副社長 神垣 宏康

東京都千代田区(日比谷)のM&A仲介・事業承継アドバイザリーファーム、株式会社プラチナパートナーズ取締役。成功報酬型のもと、中小企業の事業承継・会社売却を初回相談から成約まで一気通貫で支援しています。役員紹介・会社概要はこちら