日本製鉄は2025年6月19日、完全子会社のNippon Steel North America, Inc.およびUnited States Steel Corporationとともに、2025年6月18日に取引を完了したと公表しました。合併契約で想定されていたとおりの完了です。
開示された事実
| 譲受(買い手) | 日本製鉄株式会社(5401・東証プライム) |
|---|---|
| 譲渡(売り手) | United States Steel Corporationの株主 |
| 譲渡対象 | United States Steel Corporation(鉄鋼の製造(ペンシルベニア州、インディアナ州、アーカンソー州、ミネソタ州、アラバマ州などに拠点)) |
| 所在地 | 米国ペンシルベニア州ピッツバーグ |
| 手法 | 開示事項の変更。買い手および完全子会社のNippon Steel North America, Inc.とUnited States Steel Corporationは、合併契約で想定されていたとおり2025年6月18日に取引を完了した。あわせて3社は米国政府との間で国家安全保障協定(National Security Agreement)を締結し、United States Steel Corporationは米国政府に対してGolden Shareを発行する |
| 対価 | 本開示資料に取得価額の記載はない(2023年12月18日公表の資料を参照するよう記載されている) |
| 日程 | 2025年6月18日 取引の完了 |
開示資料は、3社が米国政府との間で国家安全保障協定(National Security Agreement)を締結し、United States Steel Corporationが米国政府に対してGolden Shareを発行することを記載しています。
同協定に基づく約束として開示資料は、2028年までにUnited States Steel Corporationへ110億米ドルの新規投資を行うこと(2028年以降に完成するグリーンフィールド案件への初期投資を含む)、United States Steel Corporationが米国法人のままピッツバーグに本社を維持すること、取締役の過半数を米国市民とすること、主要な経営職(CEO、CFO、法務責任者、生産・製造を担当する上級副社長)を米国市民が務めることを記載しています。
Golden Shareに基づき米国政府が持つ権利として開示資料は、独立取締役1名を指名する権利、および米国大統領またはその指名者が特定の事項について同意権を持つことを記載しています。同意権の対象には、同協定上の投資約束の削減、United States Steel Corporationの名称および本社の変更、同社の米国外への本拠移転が含まれると記載されています。
開示資料は、両社が最高水準の技術と製造能力を持つ世界有数の鉄鋼メーカーとなること、米国における大規模な投資を通じて10万人を超える雇用を守り生み出すことを記載しています。
出典: 日本製鉄株式会社「[Update to Disclosed Matters] Acquisition of United States Steel Corporation」(2025年06月19日公表)・適時開示
中小企業の経営者は、どう読むか
契約から完了まで、長い時間がかかった取引です。
政府との協定と、特別な株式の発行が条件になりました。
国をまたぐ取引では、許認可が最後の関門になります。
中小企業の譲渡でも、関門の種類は違っても存在します。
業種によっては、許認可の承継に行政の手続が必要です。
取引先との契約に、支配の変更を禁じる条項があることもあります。
こうした条項は、契約書を読まないと見つかりません。
見つかれば、相手の同意を取る時間を日程に入れられます。
契約書の棚卸しを、早い段階で行う場面です。