株式会社ニチリョクは2026年10月15日、2026年4月16日付で公表した資本業務提携に基づき、グロースパートナーズ株式会社との協働を開始したとして、その取り組み状況を公表しました。新たな取引条件の決定ではなく、経過開示です
開示された事実
| 譲受(買い手) | グロースパートナーズ株式会社(2026年4月16日付の資本業務提携により開示会社の親会社となった) |
|---|---|
| 譲渡(売り手) | (本開示は既に締結済みの資本業務提携の経過開示であり、新たな株式の譲渡の相手方の記載はない) |
| 譲渡対象 | 株式会社ニチリョク(開示会社)(霊園・墓石事業および葬祭事業を中心に、お墓、納骨堂、葬儀から終活関連サービスに至るまでライフエンディングに関わるサービスを提供) |
| 所在地 | (本開示に所在地の記載なし) |
| 手法 | 2026年4月16日付で公表した資本業務提携(第3回新株予約権の取得および消却、第三者割当による新株式、第1回および第2回無担保転換社債型新株予約権付社債、第4回新株予約権の発行、業務資本提携に関する契約の締結ならびに親会社の異動)に基づく協働の進捗を知らせる経過開示。新たな取引条件の決定ではない。開示資料は、本協働が資金の提供にとどまらず、営業力の強化、マーケティングの高度化、コスト構造の改革およびIR活動の強化を通じた企業価値の向上を目的とするものであると記載している |
| 対価 | (本開示は経過開示であり、新たな取得価額・譲渡価額の記載はない) |
| 日程 | 資本業務提携の公表は2026年4月16日、本経過開示は2026年10月15日。開示資料は、支店機能の統合を2026年10月1日に実施したこと、2026年9月29日付で「支店機能の統合に関するお知らせ」、2026年9月15日付で「抽選式株主優待制度の拡充に関するお知らせ」を公表したことを記載している |
開示資料は、本協働が資金の提供にとどまらず、営業力の強化、マーケティングの高度化、コスト構造の改革およびIR活動の強化を通じた企業価値の向上を目的とするものであると記載しています
推進体制として、開示会社の経営陣と相手方で構成するステアリングコミッティを毎月開催し、営業力強化、マーケティング、コスト削減、IRの4つのプロジェクトについて進捗確認と意思決定を行っているとしています。各プロジェクトには担当役員および関係部署が参画し、相手方がヒアリングやデータ分析を通じた課題の特定、施策の立案から効果検証までを一体となって推進しているとのことです
営業面では、商材ごとの商談の進め方を整理したトークスクリプトおよび営業ツールを整備し、2026年10月1日の支店機能の統合にあわせて現場への展開を開始したと記載しています。商材別・拠点別の成約率や営業担当者当たりの売上・粗利益等を確認し、担当者の経験に依存していた営業活動の標準化と成約率の改善を図るとしています
コスト面では、販売費及び一般管理費の主要費目の見直し、経費の事前申請制への統一、拠点別の経費の可視化を進め、葬祭事業では地域ごとに異なっていた葬祭用品を統一して仕入原価の低減を図るとしています。支店で行っていた管理業務の本社への集約や部門をまたいだ業務の習得を通じて、管理業務の効率化を図っているとのことです
開示資料は、事業環境について、葬儀の小規模化・簡素化、墓じまい・改葬の増加、承継を前提としない供養形態へのニーズの高まり、インターネットを起点とした比較検討の定着など大きく変化していると記載しています。
出典: 株式会社ニチリョク「(開示事項の経過)グロースパートナーズとの業務資本提携の進捗について」(2026年10月15日公表)・適時開示
中小企業の経営者は、どう読むか
資本を受け入れたあと、何が起きているかを公表した開示です。金額の話は四月に済んでいて、ここに書かれているのは現場で何を変えたかです。譲り渡す側が知りたいのは、むしろこちらの中身でしょう。
相手が入って最初に手を付けたのは、営業の進め方を文書にすることでした。担当者の経験に頼っていたやり方を、誰でも同じようにできる形に直す。中小企業でよくある「この人がいないと売れない」状態を解きに行っています。
注目したいのは、毎月の会議体を作って決めていると書いてある点です。資本を入れた側が口を出すだけでは変わらないので、決める場と参加者を決めている。渡したあとに相手とどう付き合うかは、契約書よりこの運用で決まります。
費用の見直しも、外注費や通信費といった細かいところから入っています。地域ごとに違っていた用品を揃える、といった地味な作業です。買った側が利益を出す道筋は、たいていこういう積み上げです。
自社を譲る側から見ると、こうした変更に現場がどう反応するかが気になるところです。やり方を変える話は、人の仕事の仕方を変える話でもあります。引き継ぎの条件を話すときに、どこまで変えるつもりかを聞いておくと見通しが立ちます。