人材サービスを主力とするワールドホールディングスは2025年3月24日、連結子会社の株式会社ワールドインテックが、金属チタン製造を手がける上場企業の子会社であるトーホーテック株式会社の発行済株式の65%を取得し、子会社化することを決定したと公表しました。
開示された事実
| 譲受(買い手) | 株式会社ワールドホールディングス(連結子会社の株式会社ワールドインテックが取得)(2429・東証プライム) |
|---|---|
| 譲渡対象 | トーホーテック株式会社(チタン加工品の製造・販売) |
| 所在地 | 神奈川県茅ケ崎市 |
| 手法 | 株式取得(上場企業の子会社から発行済株式の65%を取得し子会社化) |
| 対価 | 非公表(開示資料に取得価額の記載なし) |
| 日程 | 株式譲渡実行日 2025年3月24日(同日公表) |
開示資料によれば、対象会社は1987年7月設立、資本金160百万円で、株式は譲渡元の上場企業が100%を保有していました。売上高は直近3期で1,578百万円、1,687百万円、1,978百万円、営業利益は98百万円、7百万円、88百万円です(出典:株式会社ワールドホールディングス 2025年3月24日公表資料)。
取得の背景として同社は、買い手となる子会社がものづくり分野で幅広く人材事業を展開しており、2020年に譲渡元と共同で合弁会社を設立して製造・設備・技術領域の受託範囲を広げてきたこと、その経験を活かしてチタン製造業界で人材育成や生産性向上のノウハウを展開できると考えていることを挙げています。
具体的には、対象会社においてチタン加工や溶接などの主力業務に特化した人材育成、スキル向上、人材供給を支援し、チタン素材産業における技術・技能の承継と受託事業の拡大を目指すとしています。本件により同社グループは人材教育ビジネスにおいて新たに製造メーカーとしての機能を持つことになるとしています。
中小企業の経営者は、どう読むか
売り手は上場企業で、自社の子会社を他社に渡しています。しかも全部ではなく、過半を超える一部だけです。事業を手放すというより、外の力を入れて伸ばすための組み方です。親会社の立場から子会社の将来を考える場合、この形も選択肢になります。
買い手と売り手は、数年前から合弁会社を通じて一緒に仕事をしていました。その関係の延長として今回の取得があります。すぐに株式を動かすのではなく、まず一緒に事業をやってみて、そのうえで資本を入れるという順序です。相手を見極める時間の取り方として参考になります。
買い手は人材サービスの会社で、対象会社は金属加工の製造業です。まったく違う業種ですが、買い手は「人を育てて供給する」ことで対象会社に貢献できると述べています。異業種でも、自社が持つ機能が相手の弱いところを補えるなら話は成り立ちます。
技術と技能の承継が、買い手の目的として明記されています。職人の技が事業の中身になっている会社では、人が辞めることが事業の喪失になります。後継者がいないという悩みと、技術を残したいという願いは、しばしば同じ問題です。