株式会社AFC-HDアムスライフサイエンスと株式会社さいか屋は2026年10月16日の取締役会で、買い手を株式交換完全親会社、さいか屋を株式交換完全子会社とする株式交換を行うことを決議し、同日付で株式交換契約を締結したと公表しました。さいか屋はすでに買い手の連結子会社です
開示された事実
| 譲受(買い手) | 株式会社AFC-HDアムスライフサイエンス(2927・東証スタンダード) |
|---|---|
| 譲渡(売り手) | 株式会社さいか屋の株主(買い手が保有するさいか屋普通株式を除く)。買い手はすでにさいか屋を連結子会社としており、両社はこれまで資本関係および事業上の関係を有している |
| 譲渡対象 | 株式会社さいか屋(百貨店事業を中心に神奈川県内において長年にわたり事業を展開するとともに、横須賀店および藤沢店等の不動産を保有している) |
| 所在地 | 神奈川県(横須賀店・藤沢店等) |
| 手法 | 買い手を株式交換完全親会社、対象会社を株式交換完全子会社とする株式交換。買い手では会社法第796条第2項に規定する簡易株式交換に該当するため、原則として株主総会の承認を得ることなく実施する予定。対象会社では2026年11月16日開催予定の定時株主総会において株式交換契約の承認を受ける予定。対象会社の普通株式は2026年9月16日に東京証券取引所から上場廃止が決定されており、効力発生日をもって買い手の完全子会社となる予定。買い手が保有する対象会社の普通株式は割当交付の対象とならず、効力発生日に消却する予定。対価は自己株式を交付せず新株発行により対応する予定。開示資料は、完全子会社化後は対象会社の保有する不動産等の資産を含む経営資源を有効に活用し、事業基盤を維持・強化するとともに、将来的な事業構造および不動産の活用についても検討すると記載している |
| 対価 | 株式交換比率は買い手10に対して対象会社3、すなわち対象会社の普通株式1株に対して買い手の普通株式0.3株を割当交付する。交付する株式数は1,067,819.7株で、新たに発行する普通株式を充当する予定。単元未満株式が割り当てられる株主は買い手の株式取扱規程等に基づき買取請求制度を利用でき、1株に満たない端数は会社法の規定に基づき処理する。比率の決定にあたっては、両社から独立した第三者算定機関である茄子評価株式会社に両社の株式価値の算定を依頼し、市場株価法、類似会社比較法、DCF法、時価純資産法その他の評価方法を用いて算定している。算定機関への報酬は算定業務に対する固定報酬で、本株式交換の成立を条件とする報酬は設定されていない。算定基準日は2026年10月2日 |
| 日程 | 株式交換契約締結に係る取締役会決議日および株式交換契約締結日は2026年10月16日(予定)、対象会社の定時株主総会の基準日は2026年8月31日、同総会の開催日は2026年11月16日(予定)、最終売買日は2026年12月10日(予定)、上場廃止日は2026年12月11日(予定)、効力発生日は2026年12月15日(予定)。開示資料は、日程は手続の進捗その他の事情により変更される場合があると記載している |
株式交換比率は買い手10に対してさいか屋3で、さいか屋の普通株式1株に対して買い手の普通株式0.3株を割当交付します。交付する株式数は1,067,819.7株で、自己株式を交付せず新たに発行する普通株式を充当する予定です(出典:株式会社AFC-HDアムスライフサイエンス 2026年10月16日公表資料)
さいか屋の普通株式は2026年9月16日に東京証券取引所から上場廃止が決定されています。最終売買日は2026年12月10日、上場廃止日は2026年12月11日、株式交換の効力発生日は2026年12月15日の予定です
比率の決定にあたっては、両社から独立した第三者算定機関である茄子評価株式会社に両社の株式価値の算定を依頼し、市場株価法、類似会社比較法、DCF法、時価純資産法その他の評価方法を用いて算定しています。算定機関への報酬は算定業務に対する固定報酬で、本株式交換の成立を条件とする報酬は設定されていません
算定基準日は2026年10月2日です。開示資料は、一般的には算定基準日を取締役会決議日またはその前営業日とすることが適切と認識しているとしつつ、本件では上場廃止の決定がさいか屋の市場株価および株式価値に与える影響を一定程度確認した上で比率を検討することが適切と判断し、上場廃止決定日から一定期間を置いた日を基準日としたと記載しています
さいか屋は百貨店事業を中心に神奈川県内で長年にわたり事業を展開し、横須賀店および藤沢店等の不動産を保有しています。開示資料は、完全子会社化後は同社の保有する不動産等の資産を含む経営資源を有効に活用し、事業基盤を維持・強化するとともに、将来的な事業構造および不動産の活用についても検討すると記載しています
買い手では簡易株式交換に該当するため原則として株主総会の承認を得ずに実施し、さいか屋では2026年11月16日開催予定の定時株主総会で承認を受ける予定です。買い手が保有するさいか屋の普通株式は割当交付の対象とならず、効力発生日に消却する予定です。
出典: 株式会社AFC-HDアムスライフサイエンス「株式会社AFC-HDアムスライフサイエンスによる株式会社さいか屋の完全子会社化に関する株式交換契約締結のお知らせ」(2026年10月16日公表)・適時開示
あわせて参照した出典: 株式会社さいか屋「株式会社AFC-HDアムスライフサイエンスによる株式会社さいか屋の完全子会社化に関する株式交換契約締結のお知らせ」(2026年10月16日公表)・適時開示
中小企業の経営者は、どう読むか
すでに子会社にしている上場会社を、株式交換で完全子会社にする取引です。現金を使わず、自社の株式を渡して少数株主の持分を引き取ります。上場をやめることが決まっている会社の株主にとっては、持っていた株式が親会社の株式に替わるということです。
注目したいのは、価値を測る日をいつにするかを長く説明している点です。上場廃止が決まったあとの株価は、その決定を織り込んで動きます。決議日の直前ではなく、決定から少し間を置いた日を基準にしたと書かれています。何を基準に測るかは、比率そのものを動かします。
非上場の会社を譲渡する場面でも、同じ問いが来ます。直近の決算か、来期の計画か、保有する不動産の時価か。どれを基礎にするかで金額が変わります。だから算定の基準日と使う評価方法を、交渉の入口で合わせておく必要があります。
算定を頼んだ機関への報酬が、取引の成立とは切り離された固定の報酬だと明記されています。成立したかどうかで報酬が変わる相手に価値を測らせない、という考え方です。評価と仲介を同じ相手に任せるときは、ここをどう切り分けるかを確かめておきたいところです。
不動産を持つ百貨店という組み合わせも示唆的です。本業の損益と、持っている土地建物の価値は別に評価されます。自社に不動産があるなら、事業の値段と資産の値段を分けて整理しておくと、相手の評価の読み方が変わります。