保育所運営を中心に事業を展開するさくらさくプラスは2024年9月30日、子会社の株式会社YELLが、ヌーバルデザイン株式会社が運営するフェムケア・フェムテック事業を譲り受けることを決議したと公表しました。開示資料には、本件は東京証券取引所の定める適時開示の基準に該当しないが、有用な情報と判断したため任意開示するものと記載されています。
開示された事実
| 譲受(買い手) | 株式会社さくらさくプラス(子会社の株式会社YELLが譲受)(7097・東証グロース) |
|---|---|
| 譲渡対象 | ヌーバルデザイン株式会社が運営するフェムケア・フェムテック事業(月経カップ及び周辺商品の企画・開発・販売、潤滑ローションの企画・開発・販売) |
| 所在地 | 東京都千代田区 |
| 手法 | 事業譲受(適時開示の基準に該当しないが有用な情報と判断して任意開示するもの) |
| 対価 | 非開示(開示資料に「売主からの強い要請により、具体的な金額の記載は差し控えさせて頂きます」と記載。あわせて「譲受事業の売上高は当社グループの直近売上高(2024年7月期 17,212百万円)の1%未満です」と記載) |
| 日程 | 2024年9月30日 取締役会決議・事業譲受締結・事業譲受予定日 |
開示資料によれば、譲り受ける事業の内容は月経カップ及び周辺商品の企画・開発・販売、潤滑ローションの企画・開発・販売です。譲受価額は売主からの強い要請により具体的な金額の記載を差し控えるとされ、あわせて譲受事業の売上高は買い手グループの直近売上高(2024年7月期 17,212百万円)の1%未満であると記載されています(出典:株式会社さくらさくプラス 2024年9月30日公表資料)。
日程は、取締役会決議日、事業譲受締結日、事業譲受予定日がいずれも2024年9月30日です。相手先は2007年5月設立、資本金10百万円で、健康食品、衛生用品、化粧品の製造販売およびECマーケティング等を手がけています。譲り受ける側の子会社は2023年9月設立、資本金500千円で、フェムテック・フェムケア事業を行っています(出典:株式会社さくらさくプラス 2024年9月30日公表資料)。
買い手は、保育所運営を中心に共働き家族・子育て家族を応援する事業を展開してきたと説明し、女性の社会進出が進む一方で妊娠、出産、更年期などのライフステージにおける健康課題へのサポートが整っていない現状を課題として挙げています。譲受を通じて異なる領域のノウハウを融合し、各ライフステージに対応した商品・サービスを提供することで子育て家庭の生活の質の向上へ貢献できると判断したとしています。
出典: 株式会社さくらさくプラス(TDnet適時開示。TDnetでの公開期間が終了しているため、URLは株探が保存する原本PDF)「当社子会社における事業譲受に関するお知らせ」(2024年09月30日公表)
中小企業の経営者は、どう読むか
売主の要請で金額を書かない代わりに、買い手は「自社の売上の一%未満」という言い方で規模の目安を示しています。金額を出さずに、読む人が大きさを掴めるようにする書き方です。
売り手が金額を伏せたい理由はいくつもあります。取引先や従業員に知られたくない、他の事業の値段の目安にされたくない、など。伏せたいという希望は、条件として最初に伝えられる項目です。
譲ったのは会社ではなく事業の一部です。相手の会社は健康食品や化粧品の製造販売を続けています。複数のブランドや事業を持っているとき、一つだけを他社に託すという選び方があります。
買い手の側は、この事業のために一年ほど前に会社を作っていました。受け皿を先に用意しておくと、買ったものをどこに入れるかで迷いません。買い手がそこまで準備している相手なら、引き継ぎの段取りも考えられていることが多いです。
買い手が挙げた理由は、自社が向き合ってきた相手と同じ人たちに届く商品だったことでした。扱う商品が違っても、顧客が重なっていれば話は成り立ちます。誰に向けて売っているのかは、業種の名前より広く相手を探せる手がかりになります。