デジタル家電専門店を運営するノジマは2024年11月11日、同社が管理する特別目的会社が、日本産業パートナーズが関与するファンドなどからVAIO株式会社の株式と、VAIO株式を保有するVJホールディングス3株式会社の全株式を取得する株式譲渡契約を締結したと公表しました。

開示された事実

譲受(買い手)株式会社ノジマ(同社が管理する特別目的会社が取得)(7419・東証プライム)
譲渡対象VAIO株式会社およびVJホールディングス3株式会社(PC事業における企画、設計、開発、製造および販売)
所在地長野県安曇野市(VAIO)
手法株式取得。買い手が管理する特別目的会社が、投資ファンドなどからVAIO株式とVAIO株を保有する中間持株会社の全株式を取得し、直接・間接に子会社化
対価概算額112億円(株式の取得価額111億円、アドバイザリー費用等1億円)
日程取締役会決議・株式譲渡契約締結 2024年11月11日/株式譲渡効力発生日 2025年1月6日(予定)。実行には公正取引委員会の承認が必要

取得するのはVAIOの発行済株式数の約1.6%に相当する5,000株と、VAIOの発行済株式数の約91.4%を保有するVJホールディングス3の全株式です。関係法令に基づく許可を得たうえで、直接または間接的にVAIOの発行済株式数の約93%を保有する予定としています(出典:株式会社ノジマ 2024年11月11日公表資料)。

取得価額は概算額で、株式が111億円、アドバイザリー費用等が1億円、合計112億円と記載されています(出典:株式会社ノジマ 2024年11月11日公表資料)。買い手はすでにVAIOとの仕入に関する取引があるとしています。

対象会社はPC事業の企画・設計・開発・製造・販売を行い、2020年3月13日設立、資本金15億5,275万5,000円です。売上収益は22,430百万円(2022年5月期)、35,803百万円(2023年5月期)、42,129百万円(2024年5月期)と推移し、当期純利益は▲329百万円から719百万円、985百万円へと変化しています(出典:株式会社ノジマ 2024年11月11日公表資料)。

取得の理由として買い手は、対象会社が企画・設計から製造・販売、アフターサービスまでを一気通貫で行う点を強みとして挙げ、近年は法人向け事業に注力していると記載しています。そのうえで「今回の株式取得(子会社化)によってVAIOの事業運営方針やお客様との関係に変更はありません」と明記しています。株式譲渡の効力発生は2025年1月6日を予定し、実行には公正取引委員会の承認が必要としています(出典:株式会社ノジマ 2024年11月11日公表資料)。

出典: 株式会社ノジマ(TDnet適時開示。TDnetでの公開期間が終了しているため、URLは株探が保存する原本PDF)「VAIO株式会社およびVAIO株式を保有するVJホールディングス3株式会社の株式取得(子会社化)に関するお知らせ」(2024年11月11日公表)

中小企業の経営者は、どう読むか

売り手は投資ファンドです。ファンドは一定の期間で株式を手放す前提で投資しているので、いずれ次の株主を探します。この案件は、その次の株主が事業会社だった例です。ファンドに譲渡した会社が、その後どこへ行くのかという問いに対する、ひとつの実例になります。

開示資料には、子会社化によって事業運営方針やお客様との関係に変更はない、とはっきり書かれています。買い手が公表文でこれを書くのは、対象会社の取引先と従業員に向けた説明でもあります。譲渡の話を進めるときに、相手が何をどう言ってくれるのかは、条件と同じくらい確かめておく価値があります。

取得価額の内訳に、アドバイザリー費用等が株式の価額とは別に並んでいます。会社を買う、あるいは売るときには、株式そのものの代金以外に外部への費用がかかります。手元にいくら残るかを考えるなら、譲渡価額だけでなく、そこから出ていく費用まで含めて見ておく必要があります。

買い手はノジマ本体ではなく、同社が管理する特別目的会社です。買収のために別の会社を置く形は上場企業ではよくあります。売り手から見れば、契約の相手方は誰で、その後ろにいるのは誰なのかを区別して確認する場面です。

実行には公正取引委員会の承認が必要で、契約の締結から効力発生までに二か月ほど置かれています。合意したその日に終わるわけではありません。規模や業種によって、外部の手続が日程を決めることがあります。

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本記事は、各社が公表した適時開示資料などの一次情報を当社が要約したものです。当社の成約実績ではなく、当社が関与した案件でもありません。記載の事実は公表日時点のもので、その後変更されることがあります。詳細は出典の資料をご確認ください。