岡山県を中心に店舗を展開する天満屋ストアは2025年2月17日、取締役会において株式会社ヒナセショッピングセンターの全株式を取得し、子会社化することを決議したと公表しました。
開示された事実
| 譲受(買い手) | 株式会社天満屋ストア(9846・東証スタンダード) |
|---|---|
| 譲渡対象 | 株式会社ヒナセショッピングセンター(食料品、雑貨品の小売業(地域密着型のスーパーマーケット)) |
| 所在地 | 岡山県備前市 |
| 手法 | 株式取得(個人株主から全株式を取得し子会社化) |
| 対価 | 非公表(開示資料に「相手先の要望により非開示」と記載) |
| 日程 | 取締役会決議・契約締結 2025年2月17日/株式譲渡実行日 2025年4月1日(予定) |
開示資料によれば、取得株式数は普通株式1,200株で議決権所有割合は100%です。取得価額と対象会社の経営成績・財政状態は、いずれも相手先の要望により非開示とされています。対象会社は1976年2月設立、資本金12,000千円で、株式は個人1名が96%を保有し、ほかに個人株主1名がいます(出典:株式会社天満屋ストア 2025年2月17日公表資料)。
対象会社は岡山県備前市と近隣の兵庫県赤穂市で地域密着型のスーパーマーケット事業を展開しています。
取得の理由として同社は、対象会社が特に生鮮食品の販売で地域顧客からの支持を得ていること、岡山県を中心に店舗展開する自社と連携することで新規顧客の獲得につなげられること、自社グループの人材・店舗運営ノウハウ・仕入れルート・購買力を活用して店舗づくりを行うこと、本件により自社の出店空白地域への進出を果たすことを挙げています。
中小企業の経営者は、どう読むか
売上も利益も開示されていません。「相手先の要望により非開示」と書かれているだけです。上場企業に譲渡すると数字が公になると考えられがちですが、取引の規模が開示基準に届かなければ、売り手の希望が通ることが実際にあります。
買い手が理由に挙げたのは、自社が店舗を持っていない地域への進出でした。同じ業態で同じ県にいる会社どうしでも、店がある場所が違えば競合ではなく補完になります。近隣の同業が買い手になり得るという見方は、地方の小売や飲食で現実的です。
評価されたのは生鮮食品の販売力と、それを支持している地域の顧客でした。仕入れや運営の効率は買い手が持ち込めますが、地域の客との関係は持ち込めません。買い手が持てないものが何かを考えると、自社の値打ちが見えてきます。
株式の大半を代表者が持ち、わずかに別の個人株主がいる形です。全株式を渡すには、その株主の同意も必要になります。少数でも他人が株主にいるなら、譲渡を考え始めた時点で話をしておくことになります。