ウェルネス・コミュニケーションズは2026年10月21日開催の取締役会において、株式会社エス・エム・エスが展開するストレスチェック事業を新設分割により承継する新設会社の全株式を取得し、あわせて買い手を吸収合併存続会社・対象会社を吸収合併消滅会社とする吸収合併を行うことを決議したと公表しました。売り手側も同日、同じ取引について新設分割による子会社の設立および当該子会社の株式譲渡として公表しています。
開示された事実
| 譲受(買い手) | ウェルネス・コミュニケーションズ株式会社(366A・東証グロース) |
|---|---|
| 譲渡(売り手) | 株式会社エス・エム・エス |
| 譲渡対象 | 株式会社ストレスチェック(ストレスチェック代行サービス事業を新設分割により承継する新設会社)(ストレスチェック代行サービス事業) |
| 所在地 | 東京都港区芝公園 |
| 手法 | 新設分割・株式取得・吸収合併を組み合わせた取引。売り手がストレスチェック代行サービス事業を新設分割により新設会社へ承継させ、買い手がその発行済株式の全部を取得したうえで、買い手を吸収合併存続会社・対象会社を吸収合併消滅会社とする吸収合併を行う。吸収合併は株式取得の実行および必要な手続の完了を前提として効力が生じ、買い手においては会社法第796条第2項に定める簡易合併に該当するため株主総会の承認を得ることなく実施する予定と記載されている |
| 対価 | 取得価額は相手先との合意により非開示。開示資料は、第三者算定機関による評価結果を参考として、対象事業の財政状態、経営成績及び将来の収益見通し等を総合的に勘案したうえで、相手先との協議及び交渉を経て決定したと記載し、東京証券取引所が定める子会社等の異動に係る適時開示軽微基準の範囲内であるとしている |
| 日程 | 2026年10月21日 取締役会決議日/2026年10月21日 株式譲渡契約締結日/2026年12月1日(予定) 新設分割による対象会社の設立および株式取得実行日/2026年12月1日(予定) 吸収合併契約締結日/2027年1月1日(予定) 吸収合併効力発生日 |
取得株式数は100株で、取得前の所有株式数は0株、取得後の議決権所有割合は100%と記載されています。取得価額は相手先との合意により非開示とされ、第三者算定機関による評価結果を参考として、対象事業の財政状態、経営成績及び将来の収益見通し等を総合的に勘案したうえで協議及び交渉を経て決定したと注記されています(出典:ウェルネス・コミュニケーションズ株式会社 2026年10月21日公表資料)
対象会社は東京都港区芝公園に所在予定で、事業内容はストレスチェック代行サービス事業、資本金は1百万円、設立年月日は2026年12月1日(予定)と記載されています。新設会社であるため直前事業年度は存在せず、承継予定の事業にかかる2026年3月期の売上高は179百万円、2026年3月31日現在の帳簿価額は総資産30百万円の規模であるとされています。実際に承継される総資産の金額は、効力発生日までの増減を加除したうえで確定するとしています(出典:ウェルネス・コミュニケーションズ株式会社 2026年10月21日公表資料)
売り手は高齢社会に適した情報インフラの構築を目的とする事業を営み、資本金は2,551百万円、設立は2003年4月4日、純資産は20,868百万円、総資産は30,947百万円と記載されています。買い手と売り手および対象会社との間に、記載すべき資本関係・人的関係・取引関係はないとされています(出典:ウェルネス・コミュニケーションズ株式会社 2026年10月21日公表資料)
開示資料は本件の意義について、対象事業が有する顧客基盤、営業・運営ノウハウ及び専門人材を取り込むとしています。株式取得は新設分割による対象会社の設立を条件として実行され、吸収合併は株式取得の実行により対象会社が買い手の完全子会社となることを条件として効力が生じる予定です。
出典: ウェルネス・コミュニケーションズ株式会社「株式会社エス・エム・エスのストレスチェック事業を承継する新設会社の買収(株式取得)及び吸収合併に関するお知らせ」(2026年10月21日公表)・適時開示
あわせて参照した出典: 株式会社エス・エム・エス「会社分割(簡易新設分割)による子会社の設立及び当該子会社の株式譲渡(子会社の異動)に関するお知らせ」(2026年10月21日公表)・適時開示
中小企業の経営者は、どう読むか
事業だけを渡したいときは、先に器を作ります。
新しい会社を立ち上げ、そこへ事業を移してから、株を渡す形です。
会社を丸ごと渡すのと違い、渡す範囲を契約で決められます。
買い手の側も、引き受ける資産と負債を限れます。
この開示では、株を取得したあとに合併して一つの会社に戻しています。
器を残さず、買い手の中へたたみ込む形です。
そのぶん手順と日程は長くなります。
設立、取得、合併と、効力が生じる日がそれぞれ別に置かれています。
中小企業でも、一部の事業だけを譲るときに同じ組み方を使います。