医療機器を手がける朝日インテックは2024年11月14日、ニッタモールド株式会社を完全子会社化することを決議したと公表しました。取得株式数は980株で、取得後の議決権所有割合は100.0%となります。取得価額は、当該株主との守秘義務により非開示とされています(出典:朝日インテック株式会社 2024年11月14日公表資料)。

開示された事実

譲受(買い手)朝日インテック株式会社(7747・東証プライム・名証プレミア)
譲渡対象ニッタモールド株式会社(完全子会社のタイ法人を含む)(金型の設計・製造、成形、組立など)
所在地滋賀県甲賀市
手法株式取得。発行済株式の100.0%を取得して完全子会社化
対価非開示(当該株主との守秘義務により非開示)
日程取締役会決議・契約締結 2024年11月14日/株式譲渡実行 2025年1月6日

対象会社は1991年3月設立、資本金(資本剰余金を含む)49百万円で、金型の設計・製造、成形、組立などを行い、完全子会社としてタイ法人を有しています。大株主及び持株比率も、当該株主との守秘義務により非開示とされています(出典:朝日インテック株式会社 2024年11月14日公表資料)。

簡易連結による経営成績として、売上高は1,709百万円、1,718百万円、2,173百万円、純資産は226百万円、275百万円、320百万円と記載されています。開示資料は、対象会社の決算期は12月末、タイ法人の決算期は6月末であるため、決算期に乖離がある6ヶ月間の期ズレ連結を簡易的に試算して記載していると注記しています(出典:朝日インテック株式会社 2024年11月14日公表資料)。

買い手と対象会社の関係として、開示資料は、買い手が200百万円を貸付していること、買い手が対象会社より仕入を行っていることを記載しています(出典:朝日インテック株式会社 2024年11月14日公表資料)。人的関係は記載すべきものはないとしています。

取得の理由として買い手は、対象会社が製品設計のサポートから金型の設計・製作、成形、組立まで一貫して行うシステムを確立しており、高精度で耐久性に優れた金型製作とその金型を使用した製品成形に関して高い技術力を有していると説明しています。これらの技術を内製化することで、自社製品の製造に関して安定供給や加工技術の強化に寄与できると考えたとしています。株式譲渡実行日は2025年1月6日です。

出典: 朝日インテック株式会社(TDnet適時開示。TDnetでの公開期間が終了しているため、URLは株探が保存する原本PDF)「ニッタモールド株式会社の株式の取得(子会社化)に関するお知らせ」(2024年11月14日公表)

中小企業の経営者は、どう読むか

買い手は、この会社から仕入をしていて、しかも貸付もしていました。取引と資金の両方でつながっていた相手を、そのまま引き継いだ形です。仕入先や外注先が買い手になる例は中小企業でもよくあります。ふだんの取引の相手は、いちばん近い候補です。

買い手が挙げている理由は、内製化です。外から買っている部品や加工を、自社の中に取り込みたいという動きです。自社が誰かの供給網の一部になっているなら、その相手にとって自社を抱える価値があるかを考えてみる余地があります。

取得価額も大株主も、守秘義務により非開示とされています。上場企業が買い手でも、売り手が望めば金額と株主の名前を出さない形が取れます。誰にいくらで渡したかを知られたくないという希望は、実務で普通に出てきます。

グループの決算期がそろっていないため、六か月ずらして簡易的に合算した数字が開示されています。国内の会社と海外の会社で決算期が違うという状態は、中小企業のグループでは珍しくありません。数字を出す前に、まず期をそろえる作業が必要になります。

売上は二十億円ほど、純資産は三億円ほどの会社です。金型の設計から成形、組立まで一貫してできることが理由に挙げられています。工程のどこまでを自社でできるかは、規模とは別の評価になります。

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本記事は、各社が公表した適時開示資料などの一次情報を当社が要約したものです。当社の成約実績ではなく、当社が関与した案件でもありません。記載の事実は公表日時点のもので、その後変更されることがあります。詳細は出典の資料をご確認ください。