大東建託は2025年1月31日、東証スタンダード市場に上場する株式会社アスコットの普通株式と新株予約権の全部を対象とする公開買付けを開始すると公表しました。アスコットを完全子会社とすることを目的とする取引の一環と記載されています。
開示された事実
| 譲受(買い手) | 大東建託株式会社(1878・東証プライム・名証プレミア) |
|---|---|
| 譲渡(売り手) | 対象者の親会社である森燁有限公司、SBIホールディングス株式会社、平安ジャパン・インベストメント1号投資事業有限責任組合(いずれも応募契約を締結) |
| 譲渡対象 | 株式会社アスコット(不動産開発事業、不動産ファンド事業、不動産投資事業、九州開発事業ほか) |
| 所在地 | 東京都渋谷区 |
| 手法 | 公開買付け(完全子会社化を目的。普通株式と新株予約権の全部が対象) |
| 対価 | 普通株式1株につき260円、新株予約権1個につき105円 |
| 日程 | 取締役会決議(書面決議)2025年1月31日/公開買付開始公告・公開買付届出書提出 2025年2月3日/買付期間 2025年2月3日から2025年3月18日まで(30営業日) |
買付価格は普通株式1株につき260円、新株予約権1個につき105円です。買付予定数の下限は91,736,700株(所有割合67.86%)で、応募が下限に達しない場合は全部の買付けを行わないとされています(出典:大東建託株式会社 2025年1月31日公表資料)
大東建託は、アスコットの筆頭株主であり親会社である森燁有限公司(所有株式数60,777,988株)、SBIホールディングス、平安ジャパン・インベストメント1号投資事業有限責任組合との間で、それぞれ応募契約を締結しています(出典:大東建託株式会社 2025年1月31日公表資料)
価格の経緯も資料に書かれています。2025年1月15日の提案では1株239円(同日終値196円に対して21.94%のプレミアム)でしたが、1月27日の最終提案は260円となり、前営業日である1月24日の終値193円に対して34.72%、過去1か月の終値単純平均値200円に対して30.00%のプレミアムと記載されています(出典:大東建託株式会社 2025年1月31日公表資料)
買付期間は法定の最短期間より長い30営業日に設定されており、対抗的な買付けの機会を確保する趣旨と説明されています。開始後に対抗提案者との接触を禁じる取引保護条項は置かれていないと記載されています。
中小企業の経営者は、どう読むか
公開買付けの価格が、最初の提案から引き上げられた経緯が資料に残っています。提示された額が最終の額とは限りません。
大株主があらかじめ応募を約束している形です。誰が応募するかが先に固まっていると、取引が成立する見通しは立ちやすくなります。
中小企業の譲渡でも、同じことが起きます。株主が分かれているときは、誰が賛成しているかを早い段階で確かめます。
新株予約権にも価格が付いています。株式以外の権利を出している会社は、譲渡のときにその扱いを決める必要があります。
期間を法律の下限より長く取り、他の買い手が出てくる余地を残しています。価格の妥当さを示す手立ての一つです。