業務用食品卸を全国に展開する尾家産業は2025年2月10日、取締役会において、ウェルユー・ミール東日本株式会社が運営する業務用食品販売事業に係る会社分割(吸収分割)により設立された新会社の全株式を取得し、子会社化することを決議したと公表しました。

開示された事実

譲受(買い手)尾家産業株式会社(7481・東証スタンダード)
譲渡対象ウェルユー・フード株式会社(吸収分割により設立された会社)(業務用食品卸売事業)
所在地茨城県土浦市
手法会社分割(吸収分割)で切り出された会社の全株式を取得し子会社化
対価普通株式90百万円、デューデリジェンスに係る費用等の概算3百万円、合計の概算93百万円
日程取締役会決議・契約締結 2025年2月10日/株式譲渡実行日 2025年3月3日(予定)

開示資料によれば、取得株式数は1,000株で議決権所有割合は100.0%、取得価額は普通株式が90百万円、デューデリジェンスに係る費用等の概算が3百万円、合計の概算は93百万円です。対象会社は吸収分割により2024年11月に設立されたため、直近事業年度の財政状態および経営成績はないと注記されています(出典:尾家産業株式会社 2025年2月10日公表資料)。

株式の譲渡先となる相手方は給食受託事業と食品販売事業を営む会社で、その株式は別の会社が100%保有しています(出典:尾家産業株式会社 2025年2月10日公表資料)。

取得の目的として同社は、外食・中食・給食事業に加えヘルスケア事業向けに業務用食品卸売事業を全国に展開していること、対象事業の持つ資源と知見により茨城県での対応力を強化でき、取り扱う業務用食材の販路拡大とヘルスケア事業でのノウハウの共有や強化につながると判断したことを挙げています。

出典: 尾家産業株式会社(TDnet適時開示。TDnetでの公開期間が終了しているため、URLは株探が保存する原本PDF)「ウェルユー・ミール東日本株式会社の吸収分割会社の株式の取得(子会社化)に関するお知らせ」(2025年02月10日公表)

中小企業の経営者は、どう読むか

売り手は給食の受託と食品の販売を併せて営んでおり、そのうち業務用食品販売の部分だけを会社分割で新しい会社に移し、その会社の株式を渡しています。会社をまるごと渡すのではなく、渡す部分だけを切り出す形です。複数の事業を営む会社が、一部だけを手放すときの標準的な組み方です。

そのため対象会社には過去の決算がありません。開示でも「直近事業年度の財政状態および経営成績はない」と注記されています。買い手は分割前の事業の実績を見て判断することになり、どの取引先とどの売上がこの新会社に移るのかが契約の中心になります。分割の対象をどこで線引きするかが、そのまま価格の根拠になります。

取得価額と並んで、デューデリジェンスに係る費用の概算が開示されています。調べるための費用は、買う側にも必ずかかります。売る側も、相手が費用をかけて調べることを前提に、聞かれる資料を揃えておくほうが話が早く進みます。

買い手が求めたのは、自社が弱い地域での対応力でした。全国に展開している会社でも、県ごとに強弱があります。地域に密着した卸の会社が、広域の会社にとって埋めたい穴になっているという構図です。

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本記事は、各社が公表した適時開示資料などの一次情報を当社が要約したものです。当社の成約実績ではなく、当社が関与した案件でもありません。記載の事実は公表日時点のもので、その後変更されることがあります。詳細は出典の資料をご確認ください。