物語コーポレーションは2025年3月17日、取締役会において、米国子会社のStorytellers USA, Inc.が米国で外食事業を行うShin Nihon Kousan Inc.などの全株式およびメンバーシップを取得し、孫会社化することを決定したと公表しました。
開示された事実
| 譲受(買い手) | 株式会社物語コーポレーション(米国子会社 Storytellers USA, Inc. が取得)(3097・東証プライム) |
|---|---|
| 譲渡対象 | Shin Nihon Kousan Inc. ほか計6社(SHOGUNグループ)(レストラン事業の運営(郊外ロードサイドの大型鉄板焼きレストラン)) |
| 所在地 | アメリカ合衆国カリフォルニア州 |
| 手法 | 株式取得(米国子会社が対象6社の全株式およびメンバーシップ持分を取得し孫会社化) |
| 対価 | 普通株式など27.5百万米ドル、アドバイザリー費用1.1百万米ドル、合計の概算28.6百万米ドル |
| 日程 | 取締役会決議・契約締結 2025年3月17日/株式譲渡実行日 2025年4月1日(予定) |
開示資料によれば、取得価額は普通株式などが27.5百万米ドル、アドバイザリー費用が1.1百万米ドル、合計の概算は28.6百万米ドルです。対象は法人4社とその傘下を含む計6社で、株式の取得先は個人1名で、氏名は相手先の意向により非開示とされています。簡易連結の売上高は直近3期でUSD36,769,876、USD37,408,052、USD36,300,936、税引前当期純利益はUSD2,002,542、USD2,681,469、USD2,584,886です。対象グループは連結財務諸表を作成していないため単純合算で計算しており、内部取引の相殺消去を行っていない数値だと注記されています(出典:株式会社物語コーポレーション 2025年3月17日公表資料)。
対象グループは郊外ロードサイドに大型レストランを展開し、日本食の専門性を活かしながら日常利用と特別な日の利用の双方に対応できる業態を確立しており、約47年にわたる事業の歴史を持つと記載されています(出典:株式会社物語コーポレーション 2025年3月17日公表資料)。
取得の理由として同社は、成長戦略の一環として海外市場の開拓を重視していること、米国の外食市場は成熟しており自社ブランドの展開や新業態開発による単独参入には高い参入障壁があり、事業の拡大には相応の時間と投資が必要と想定されるため、M&Aによる市場参入を検討してきたことを挙げています。鉄板焼き市場が特定の人種や属性に偏らず幅広い顧客層に支持されている点も評価しています。
中小企業の経営者は、どう読むか
買い手が「単独で参入するには壁が高く、時間と投資がかかる」と明記しています。自分で作るより買うほうが早いという判断が、そのまま言葉になっています。これは国内でも同じで、すでに顧客と店と人が揃っている会社には、その分の価値があります。
対象グループは複数の会社に分かれ、連結の決算を作っていませんでした。買い手は各社の数字を合算しており、内部取引の相殺をしていないとまで注記しています。会社を分けて営んでいる場合、買い手が全体像を把握するのに手間がかかり、その手間は調査の期間と費用に跳ね返ります。
事業の歴史の長さと、地域住民からの支持が理由に挙げられています。一方で出店余地が残っていることも評価されています。買い手は今の実績と、これから伸ばせる余地の両方を見ているということです。
売り手は個人ひとりで、氏名は非開示とされています。複数の法人を個人が保有している形は、日本でも珍しくありません。会社ごとに株主構成が違うと、すべてを渡すための段取りが複雑になります。早めに所有関係を整理しておくことが、交渉の速さにつながります。