マクセルは2025年6月16日、株式会社村田製作所及び株式会社東北村田製作所の一次電池事業を譲り受けると公表しました。同日、譲渡元である村田製作所もマイクロ一次電池事業の譲渡合意として公表しています。
開示された事実
| 譲受(買い手) | マクセル株式会社(6810・東証プライム) |
|---|---|
| 譲渡(売り手) | 株式会社村田製作所(京都府長岡京市東神足1丁目10番1号・証券コード6981)および株式会社東北村田製作所 |
| 譲渡対象 | 株式会社村田製作所及び株式会社東北村田製作所の一次電池事業(マイクロ一次電池事業)(コイン形二酸化マンガンリチウム電池、酸化銀電池及びアルカリボタン電池の設計及び製造) |
| 所在地 | 日本 |
| 手法 | 事業の譲受。譲渡元は、村田製作所および東北村田製作所を分割会社とする会社分割(吸収分割)により当事業を村田製作所が新たに設立する100%子会社に承継させ、その後に新子会社の株式の100%をマクセルが取得する方式を公表している。譲渡元は、本譲渡が会社法第467条第1項第2号に定める簡易事業譲渡に該当するため株主総会決議を経ずに行うと記載している |
| 対価 | 譲渡価額は80億円。譲渡元は、承継日時点の承継棚卸資産簿価等により価格調整が発生すると記載している |
| 日程 | 2025年6月16日 両社の取締役会決議日/2025年6月16日 株式譲渡契約締結日(マクセル側の記載)/2025年内 契約締結日(村田製作所側の記載)/2026年3月期中(予定) 株式譲渡実行日(マクセル側の記載)/2025年度内 本事業譲渡の実行日(村田製作所側の記載) |
譲渡価額は80億円です。村田製作所の開示資料は、承継日時点の承継棚卸資産簿価等により価格調整が発生すると記載しています(出典:マクセル株式会社 2025年6月16日公表資料)
譲受の対象事業は、コイン形二酸化マンガンリチウム電池、酸化銀電池及びアルカリボタン電池といった製品の設計及び製造です。マクセルの開示資料は、これらの製品の品質や性能が市場において高い競争力を有していると記載しています。
スキームについて村田製作所の開示資料は、村田製作所および東北村田製作所を分割会社とする会社分割(吸収分割)により当事業を村田製作所が新たに設立する100%子会社に承継させ、その後に新子会社の株式の100%をマクセルが取得することで譲渡すると記載しています。本譲渡は会社法第467条第1項第2号に定める簡易事業譲渡に該当するため、株主総会決議を経ずに行われます(出典:マクセル株式会社 2025年6月16日公表資料)
日程について、マクセルの開示資料は対象事業譲受に関する取締役会決議日と株式譲渡契約締結日を2025年6月16日、株式譲渡実行日を2026年3月期中(予定)と記載しています。村田製作所の開示資料は契約締結日を2025年内、本事業譲渡の実行日を2025年度内と記載しています。
村田製作所の開示資料は、2017年にソニー株式会社から当事業を含む電池事業を譲受して展開してきたこと、当事業の発展にあたってベストオーナーであるマクセルへの事業承継が最善であると判断したこと、今後は円筒形リチウムイオン二次電池事業に経営資源を配分し注力することを記載しています。
マクセルの開示資料は、中期経営計画において既存事業の成長性・収益性の観点からメリハリ付けを行い成長事業にリソースをシフトしていること、収益性に課題があった角形リチウムイオン電池の生産終了を決定し、今後は車載用・医療機器用を中心とした一次電池を成長戦略の柱とすることを記載しています。
対象事業の売上高および経常利益について村田製作所の開示資料は、当事業が事業別セグメント「デバイス・モジュール」の一部であるため算出していないと記載しています。
出典: マクセル株式会社「株式会社村田製作所及び株式会社東北村田製作所の一次電池事業の譲受に関するお知らせ」(2025年06月16日公表)・適時開示
あわせて参照した出典: 株式会社村田製作所「マイクロ一次電池事業の譲渡合意に関するお知らせ」(2025年06月16日公表)・適時開示
中小企業の経営者は、どう読むか
渡す側が、自ら「ベストオーナーは相手だ」と書いています。
同じ事業でも、持ち主によって伸ばし方が変わります。
手元に置き続けることが、事業のためとは限りません。
中小企業の譲渡でも、この見方は使えます。
自社では投資できない設備が、相手には出せることがあります。
人を採れない、販路を広げられないという場合も同じです。
渡すことで、事業が続いて従業員の仕事も残ります。
ただし誰がベストオーナーかは、会ってみないと分かりません。
複数の相手を見てから決める、という進め方になります。