東陽テクニカは2024年3月4日、株式会社エル・テールの株式を取得して子会社化すると公表しました。取得するのは400株で、取得前の所有株式数は0株です。取得価額は330,000千円です(出典:株式会社東陽テクニカ 2024年3月4日公表資料)
開示された事実
| 譲受(買い手) | 株式会社東陽テクニカ(8151・東証プライム) |
|---|---|
| 譲渡(売り手) | エル・テールの株主(開示資料は「大株主が個人であることから開示を控えさせていただきます」と記載) |
| 譲渡対象 | 株式会社エル・テール(流体制御装置製造、制御装置設置工事、電気工事) |
| 所在地 | 兵庫県川西市 |
| 手法 | 株式譲渡(400株を取得して子会社化) |
| 対価 | 330,000千円 |
| 日程 | 2024年3月4日 取締役会決議・契約締結(予定)/2024年3月29日 株式譲渡実行(予定) |
対象会社は、所在地が兵庫県川西市加茂6-108-4、事業内容が流体制御装置製造、制御装置設置工事、電気工事、資本金が20,000千円、設立年月日が1997年12月1日です。大株主及び持株比率については、開示資料が「大株主が個人であることから開示を控えさせていただきます」と記載しています(出典:株式会社東陽テクニカ 2024年3月4日公表資料)
対象会社の財政状態は、2023年9月期末の純資産が258,381千円、総資産が398,288千円です。純資産は2021年9月期末が163,080千円、2022年9月期末が199,321千円で、増加しています(出典:株式会社東陽テクニカ 2024年3月4日公表資料)
買い手と対象会社の関係について、対象会社が提供する製品について取引の実績があると記載されています。資本関係・人的関係については該当事項がないとされています。
開示資料は取得の理由について、買い手が主力事業の一つである物性/エネルギー事業における水素分野の取り組みとして1999年より燃料電池評価システムの自社開発・販売を手掛け、現在は水電解評価にも対応していることを挙げています。買い手の製品は多くの自動車メーカーや研究機関において燃料電池自動車、定置用燃料電池や水電解技術の研究開発に活用されていると記載されています。
対象会社については、1997年の設立以降、独自技術を駆使した流体制御装置の開発・製造や設置を手掛け、その装置は研究機関や大手ガス会社などで活用されていると記載されています。
日程は、2024年3月4日が取締役会決議日と契約締結日(予定)、2024年3月29日が株式譲渡実行日(予定)です。本件取得に伴う業績、財政状況に与える影響については現在精査中と記載されています。
出典: 株式会社東陽テクニカ「株式会社エル・テールの株式取得(子会社化)に関するお知らせ」(2024年03月04日公表)
中小企業の経営者は、どう読むか
決議から実行までが二十五日です。契約と実行を同じ月のうちに済ませる、短い段取りです。
買い手は、この会社の製品を既に買っていました。使ってみて中身が分かっている相手です。
株主は個人で、開示資料はその持株比率を出していません。上場会社でも、個人株主は守られます。
中小企業の譲渡では、自分の名前や持株が公表されるかを気にする方がいます。ここが答えの一例です。
相手が上場会社でも、個人である株主の持株比率は開示を控えるという扱いがあります。
対象会社の純資産は三期で一億六千万円から二億六千万円へ増えています。利益を内に積んだ形です。
値段は三億三千万円で、純資産の約一.三倍です。設備と技術を持つ製造の会社らしい水準です。
ただし倍率は業種と相手で変わります。他社の例をそのまま自分の会社に当てないことが要点です。