巴コーポレーションは令和6年3月25日、持分法適用関連会社である株式会社巴技研の株式を追加取得して連結子会社化すると公表しました。巴技研の所有株式数は49,000株(議決権所有割合27.5%)から95,000株(53.4%)を追加して144,000株(80.9%)となります。取得価額は2,755百万円です(出典:株式会社巴コーポレーション 令和6年3月25日公表資料)
開示された事実
| 譲受(買い手) | 株式会社巴コーポレーション(1921・東証スタンダード) |
|---|---|
| 譲渡(売り手) | 巴技研の株主(開示資料は本件取引が関連当事者取引に該当すると記載) |
| 譲渡対象 | 株式会社巴技研(連結子会社化により株式会社泉興産も買い手グループの傘下に入る)(格納庫扉開閉装置、免振デバイス、試験装置の設計・製造など) |
| 所在地 | 東京都中央区 |
| 手法 | 持分法適用関連会社の株式の追加取得による連結子会社化。巴技研は49,000株(議決権所有割合27.5%)に95,000株(53.4%)を追加して144,000株(80.9%)となる。あわせて、連結子会社化された巴技研が保有する泉興産株と合算し、泉興産の議決権所有割合は24.1%から65.1%となる |
| 対価 | 2,755百万円。本件取引は関連当事者取引に該当するため、公正性を担保するため独立した第三者算定機関から取得した株式価値算定書を参考に決定したと記載。社外取締役が出席して意思決定が適正に行われていることを確認したとも記載 |
| 日程 | 令和6年3月25日 取締役会決議・株式譲渡契約締結/令和6年7月1日 株式譲渡実行 |
開示資料は、巴技研の連結子会社化により、巴技研が保有する株式会社泉興産の株式と合算した結果、泉興産の議決権所有割合が171,000株(24.1%)から巴技研所有の292,000株(41.1%)を加えた463,000株(65.1%)となり、泉興産も買い手グループの傘下に入ると記載しています(出典:株式会社巴コーポレーション 令和6年3月25日公表資料)
巴技研は、所在地が東京都中央区勝どき四丁目6番2、事業内容が格納庫扉開閉装置、免振デバイス、試験装置の設計・製造など、資本金が100百万円、設立年月日が昭和41年1月21日です。買い手が24.6%を出資する持分法適用関連会社で、4名の取締役のうち2名が買い手出身者、営業取引もあると記載されています(出典:株式会社巴コーポレーション 令和6年3月25日公表資料)
巴技研の経営成績は、令和5年6月期が売上高1,783百万円・営業利益232百万円です。売上高は令和3年6月期が657百万円、令和4年6月期が846百万円で、営業利益は12百万円、61百万円でした。純資産は令和5年6月期末が1,520百万円です(出典:株式会社巴コーポレーション 令和6年3月25日公表資料)
泉興産は、事業内容が不動産賃貸業、資本金が360百万円、設立年月日が昭和39年8月20日です。買い手が24.1%を出資する持分法適用関連会社で、5名の取締役のうち2名が買い手出身者です。経営成績は令和5年12月期が売上高638百万円・営業利益▲67百万円で、純資産は1,962百万円です(出典:株式会社巴コーポレーション 令和6年3月25日公表資料)
開示資料は、本件取引が関連当事者取引に該当すると明記し、取引の公正性を担保するため取得価額は独立した第三者算定機関から取得した株式価値算定書を参考に決定したこと、取締役会で諸条件を慎重に検討し企業価値向上に寄与するものと判断して決議したこと、社外取締役が出席して意思決定が適正に行われていることを確認したことを記載しています。
今後の見通しとして、連結子会社化により令和7年3月期第2四半期連結会計期間において100億円程度の特別利益(段階取得に係る差益並びに負ののれん発生益)を計上する見込みと記載されています。開示資料は、当該金額は暫定的に算定されたものであり、今後の決算手続きにより確定するとしています(出典:株式会社巴コーポレーション 令和6年3月25日公表資料)
出典: 株式会社巴コーポレーション「持分法適用関連会社の株式追加取得(連結子会社化)に関するお知らせ」(2024年03月25日公表)
中小企業の経営者は、どう読むか
もともと二割七分を持っていた会社を、八割まで買い増して子会社にした取引です。
買ったのは一社ですが、その会社が別の会社の株を四割持っていました。それも一緒に傘下へ入ります。
中小企業でも起こります。買う会社が別会社の株を持っていると、知らずに付いてくることがあります。
だから、買う前に相手が何を持っているかを数えます。株、不動産、保険、貸付。
この取引は関連当事者取引だと自分で書いています。元から出資し、取締役も出している相手です。
身内に近い相手と売買するときは、値段の根拠と、決める人の独立性を記録に残します。
ここでは第三者の算定書を取り、社外取締役が決議に立ち会ったことまで書いています。
買ったあとに特別利益が出る見込みも書かれています。安く買えた分が、会計上の利益になります。