八洲電機は2024年9月30日、東京キデン株式会社の全株式を取得する株式譲渡契約書を締結したと公表しました。開示資料には、本件は東京証券取引所における適時開示基準に該当しないため、開示事項・内容を一部省略していると記載されています。
開示された事実
| 譲受(買い手) | 八洲電機株式会社(3153・東証プライム市場) |
|---|---|
| 譲渡対象 | 東京キデン株式会社(電気器具の製造及び販売、一般建築機械及び電気器具の賃貸、高低圧分電盤の製造販売) |
| 所在地 | 東京都千代田区 |
| 手法 | 株式取得(131,450株・議決権所有割合100.0%を取得)。適時開示基準に該当しないため開示事項・内容を一部省略 |
| 対価 | 非公表(開示資料は適時開示基準に該当しないため開示事項・内容を一部省略しており、取得価額の記載なし) |
| 日程 | 2024年9月30日 株式譲渡契約書締結/2024年10月29日 株式譲渡実行予定 |
開示資料によれば、異動前の所有株式数は0株(議決権所有割合0.0%)、取得株式数は131,450株、異動後は131,450株(議決権所有割合100.0%)です。株式譲渡実行日は2024年10月29日の予定です。取得価額は記載されていません(出典:八洲電機株式会社 2024年9月30日公表資料)。
対象会社は1965年8月11日設立、資本金88百万円で、株主は個人2名です。直近3期の売上高は2021年9月期が884百万円、2022年9月期が690百万円、2023年9月期が790百万円、当期純利益は同順に124百万円、40百万円、79百万円です。買い手との取引関係として、受変電設備等の仕入取引があると記載されています(出典:八洲電機株式会社 2024年9月30日公表資料)。
買い手は中期経営計画においてコア技術である電源システムの進化と成長を目指しており、今年度より電気設備の保守メンテナンス事業に関する専門組織を立ち上げ、受変電設備・配電設備・発電機等における循環型ビジネスの強化を図っていると説明しています。対象会社を重要な戦略パートナーとして子会社化することにより、コア技術の進化と成長を実現するとしています。
中小企業の経営者は、どう読むか
買い手は、以前からこの会社から設備を仕入れていました。取引のある相手を買うという形です。相手の品質も納期も分かっているので、買い手にとっては調べる手間が少なく、判断も早くなります。
売り手の株主は、二人の個人です。創業家やそれに近い人が持っている会社では、譲渡の話は株主の人生の都合と結びついています。後継者がいるかどうかで、選べる道が変わります。
売上は一度落ちてから戻っていますが、利益は落ちた年も残っています。売上の増減だけを見て判断されるわけではありません。落ちた年に何があり、どう対処したのかを説明できると、数字の見え方が変わります。
この開示は、法令上必要な開示ではないと書いています。買い手の規模に比べて小さい取引だと、金額の開示が求められないためです。上場会社に譲っても、金額が世に出ないことがあるということです。
買い手が挙げた理由は、自社が力を入れている保守メンテナンスの事業を強くすることでした。売るだけでなく、その後の面倒を見る事業に値打ちを置いています。取引が続く関係を持っている会社は、それ自体が評価の対象になります。