外食チェーンを展開するサンマルクホールディングスは2024年10月4日、取締役会においてジーホールディングス株式会社の株式を取得し、子会社化することを決議したと公表しました。
開示された事実
| 譲受(買い手) | 株式会社サンマルクホールディングス(3395・東証プライム) |
|---|---|
| 譲渡対象 | ジーホールディングス株式会社(傘下2社を通じて牛カツ定食・カフェ等の飲食ブランドを展開)(飲食店の経営、企画等) |
| 所在地 | 東京都中央区 |
| 手法 | 株式取得(個人株主4名から株式を取得し子会社化。実行は公正取引委員会の企業結合審査の結果が前提) |
| 対価 | 普通株式11,000百万円、アドバイザリー費用等の概算額200百万円、合計の概算額11,200百万円 |
| 日程 | 取締役会決議・契約締結 2024年10月4日/株式譲渡実行日 2024年11月中旬(予定・独占禁止法に基づく届出にかかる審査を前提) |
開示資料によれば、取得後の所有株式数は89,000株、取得価額は普通株式が11,000百万円、アドバイザリー費用等の概算額が200百万円、合計の概算額は11,200百万円です。対象会社の株主は個人4名で、それぞれ84.3%、5.6%、5.6%、4.5%を保有しています。対象会社は2017年9月設立、資本金100百万円で、連結売上高は直近3期で5,071百万円、7,268百万円、9,223百万円、連結営業利益は320百万円の損失、372百万円、1,227百万円です(出典:株式会社サンマルクホールディングス 2024年10月4日公表資料)。
対象会社は飲食店の企画・経営を行う2社を子会社としており、牛カツ定食業態やカフェ業態のブランドを擁し、直営74店舗、フランチャイズ43店舗(国内22店舗、海外21店舗)、他社フランチャイズ2店舗を運営しています(出典:株式会社サンマルクホールディングス 2024年10月4日公表資料)。
取得の理由として同社は、中期経営計画で第3のブランド確立のための投資を進めており、M&Aの対象としてインバウンド観光客の取り込みや海外進出の本格化を企図した和食業態の獲得を目指していたこと、対象会社の子会社化により自社グループのインバウンド対応と海外進出の強化を見込むこと、自社が保有する商業施設等の物件情報や出店ノウハウ、DX支援、物流網の共有により対象会社のコストダウンが見込めることを挙げています。
株式譲渡の実行は、独占禁止法第10条第2項に基づく届出にかかる公正取引委員会の審査において、本件の実行を妨げる要因が存在しないことが前提とされています。
中小企業の経営者は、どう読むか
対象会社は直近の数期で売上がほぼ倍になり、営業損益も赤字から大きく回復しています。伸びている最中に譲渡したという形です。数字が良くなる前に売ると安く、良くなりきってから売ると買い手が伸びしろを見込みにくい。伸びている途中は、双方が納得しやすい時期でもあります。
株式は代表的な株主に集まりつつ、他に数名が少しずつ持っていました。創業メンバーで分けている形です。全部を渡すにはその全員の合意が必要で、比率の小さい株主も同じ重みで交渉の当事者になります。
実行が公正取引委員会の審査結果を前提としています。同じ業界で規模の大きい組み合わせでは、当事者だけで日程を決められません。外食のように店舗が地域に散らばる業種でも、規模が一定を超えれば届出の対象になります。
買い手が求めたのは、自社に無い業態と、海外で通用する商品でした。国内で似た業態をもう一つ作るより、既に海外に店を持つ会社を引き継ぐほうが早いという判断です。海外に出ている実績は、買い手にとって別枠の値打ちになります。