レディスファッションを手がけるパルグループホールディングスは2024年10月15日、取締役会において、持分法適用関連会社である株式会社ノーリーズの株式を創業者から追加取得し、連結子会社化することを決議したと公表しました。本件は適時開示基準には該当しないものの、有用な情報と判断して任意に開示するもので、開示に必要とされる事項の一部を省略しているとしています。
開示された事実
| 譲受(買い手) | 株式会社パルグループホールディングス(2726・東証プライム) |
|---|---|
| 譲渡対象 | 株式会社ノーリーズ(衣料品・装身具の小売業) |
| 所在地 | 東京都渋谷区 |
| 手法 | 株式の追加取得(持分法適用関連会社の株式を創業者から追加取得し、議決権の59.0%を保有して連結子会社化) |
| 対価 | 非公表(開示資料に「開示を控える。適切なデューデリジェンスを実施し、相手先と協議のうえ公正妥当と考えられる金額を算出して決定」と記載) |
| 日程 | 取締役会決議・契約締結 2024年10月15日/株式譲渡実行日 2024年12月1日(予定) |
開示資料によれば、取得株式数は902株で、取得後の所有株式数は2,660株、議決権所有割合は59.0%となります。取得価額は開示を控えるとしつつ、適切なデューデリジェンスを実施し相手先と協議のうえ公正妥当と考えられる金額を算出して決定したとしています。対象会社の株主は創業者が41.1%、同社が39.0%、ほかの個人が18.3%を保有していました。対象会社は1981年8月設立、資本金27,304,471円です(出典:株式会社パルグループホールディングス 2024年10月15日公表資料)。
同社は2019年8月に対象会社との資本業務提携を開始し、自社のブランド構成に不足していたドレスアップ系のブランドをグループに迎えていました。提携後はコロナ禍を乗り越えて業績を伸ばしてきたとしています。
追加取得の理由として同社は、持分法適用関連会社の位置づけで一定の相乗効果を上げてきたものの、連結子会社とすることでカジュアルブランドの強化やEC事業の拡大といった施策を推進し、企業価値向上のさらなる加速が期待できると判断したことを挙げています。
中小企業の経営者は、どう読むか
資本業務提携から五年を置いて、創業者の持分を買い取って子会社にしています。まず一部を出資して一緒に事業をやり、様子を見てから経営権を移す形です。会社と事業を残しながら自分は退くことを考える経営者にとって、時間をかける道筋の実例になります。
その代わり、最初の出資の時点では経営権が動きません。残りをいつ・いくらで渡すのかを決めていないと、後の交渉が一からやり直しになります。提携の契約書は、将来の譲渡の前提を決める書類だと考えておくことになります。
追加取得のあとも議決権は六割程度で、他の個人株主が残ります。過半数を超えれば連結の子会社にできるので、全部を集めきらない決着もあります。残る株主の扱いは、そのときに決めておくことになります。
価格は非開示ですが、デューデリジェンスを実施したことが明記されています。すでに一部を持ち、五年間一緒に事業をしてきた相手であっても、買い手は改めて調べます。付き合いの長さは、調査を省く理由にはなりません。