半導体検査装置を手がけるテセックは2024年10月29日、嶺光音電機株式会社の発行済株式総数(自己株式を除く)の100%を既存株主から取得することを決議したと公表しました。

開示された事実

譲受(買い手)株式会社テセック(6337・東証スタンダード)
譲渡対象嶺光音電機株式会社(パワー半導体の動特性試験技術に関する製品の開発・製造)
所在地横浜市
手法株式取得(既存株主から発行済株式総数(自己株式を除く)の100%を取得)
対価未定(開示資料に「独立した第三者機関によりデューデリジェンスを実施し、その結果を基に相手方と協議のうえ決定する予定」と記載)
日程取締役会決議・契約締結 2024年10月29日/株式譲渡実行日 2024年12月末日(予定)

開示資料によれば、取得価額は独立した第三者機関によるデューデリジェンスを実施し、その結果を基に相手方と協議のうえ決定する予定とされています。対象会社は1954年創業、資本金30百万円で、売上高は直近3期で241百万円、268百万円、478百万円です(出典:株式会社テセック 2024年10月29日公表資料)。

対象会社は1954年の創業以来蓄積した動特性試験技術を強みとし、パワー半導体の測定において知見と実績を有していると記載されています。同社は対象会社の製品と組み合わせたテストシステムの販売や研究開発業務の委託など、パワー半導体測定の分野で協業してきたとしています。

取得の理由として同社は、脱炭素に向けた省エネルギー化や電動化が進むなかでパワー半導体の重要性が高まっていること、次世代のパワー半導体の登場により測定技術が高度化し動特性試験へのニーズが増えていること、両社の技術とノウハウを一体的に共有・統合することでより包括的で迅速な解決策の提供が可能になることを挙げています。

出典: 株式会社テセック(TDnet適時開示。TDnetでの公開期間が終了しているため、URLは株探が保存する原本PDF)「株式取得(子会社化)に向けた基本合意書締結のお知らせ」(2024年10月29日公表)

中小企業の経営者は、どう読むか

売上が直近の期でほぼ倍になっています。需要が急に伸びている分野の会社です。伸びの理由が外部環境にあるときは、買い手もその環境を見ているので、時期が合えば話が早く進みます。

買い手と対象会社は、製品を組み合わせて売る関係にありました。相手の製品を自社のシステムに組み込んで販売し、研究開発も委託していたと書かれています。取引の深さがそのまま相手を知る材料になっています。

取得価額がまだ決まっていません。決議の時点では、調べた結果をもとに協議して決めるとされています。取締役会が方針を決め、価格は後から詰める進め方は実際にあります。売る側も、この段階の数字が動くことを前提に受け取ることになります。

創業から七十年の会社が、狭い分野の測定技術で評価されています。その分野でしかできない技術を長く磨いてきた会社は、その技術を必要とする買い手にとって代わりがいません。

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本記事は、各社が公表した適時開示資料などの一次情報を当社が要約したものです。当社の成約実績ではなく、当社が関与した案件でもありません。記載の事実は公表日時点のもので、その後変更されることがあります。詳細は出典の資料をご確認ください。