印刷インキのサカタインクスは2024年11月5日、米国子会社を通じて新たにINX International Coatings and Adhesives Co.を設立し、Coatings & Adhesives Corporationの全事業ならびに関連資産を買収したと公表しました。
開示された事実
| 譲受(買い手) | サカタインクス株式会社(米国子会社が新設したINX International Coatings and Adhesives Co.が買収)(4633・) |
|---|---|
| 譲渡対象 | Coatings & Adhesives Corporation(コーティング剤、接着剤、ポリマーの製造販売) |
| 所在地 | 米国ノースカロライナ州リーランド |
| 手法 | 資産買収(新設した会社が対象会社の全事業ならびに関連資産を買収) |
| 対価 | 非公表(開示資料に取得価額の記載なし) |
| 日程 | 2024年11月5日公表(同日までに買収を完了したと記載) |
開示資料によれば、対象会社は1987年創業で、米国ノースカロライナ州リーランドに所在し、コーティング剤、接着剤、ポリマーの製造販売を手がけています。売上高は86百万ドル(2023年実績)です(出典:サカタインクス株式会社 2024年11月5日公表資料)。取得価額は開示資料に記載がありません。
買い手は、北米市場において子会社を通じてパッケージや金属缶などに使用される印刷インキを展開しており、新たに設立した会社によって対象会社のコーティングソリューションを印刷インキとともにパッケージ市場に投入することで、北米市場での販売拡大を目指すと説明しています。
本件に伴う2024年12月期の連結業績に与える影響は軽微であると記載されています。対象会社は印刷およびパッケージ市場において品質やサービスで評価を得ており、水性コーティング剤の市場において顧客のニーズに合わせた新製品を展開していると記載されています(出典:サカタインクス株式会社 2024年11月5日公表資料)。
中小企業の経営者は、どう読むか
買い手は、相手の会社を買うのではなく、事業と資産を買っています。そのために受け皿となる会社を新しく作ってから、そこに事業を移しています。会社そのものを引き継がないので、過去の債務や訴訟を持ち込まずに済むという組み立てです。
この形では、取引先との契約や従業員、許可などが自動では移りません。一つずつ移し替える作業が必要になるため、誰とどんな契約を結んでいるかの一覧は、早い段階で求められます。整理されていないと、その作業そのものが交渉の障害になります。
対象会社は売上高だけが公表され、利益や純資産は書かれていません。会社ではなく事業を買う場合、買い手が見るのは会社全体の決算書ではなく、その事業が生む売上と利益です。事業ごとの数字を出せるようにしておくと、話が早くなります。
買い手が挙げた理由は、自社の商品と一緒に売れるということでした。同じ顧客に、隣の商品を足して売る形です。自社の顧客が、買い手の商品も買いそうな相手であるかどうかは、買い手が最初に見るところです。