ミネベアミツミは2024年12月10日、連結子会社のエイブリック株式会社が、株式会社ソシオネクストが運営するメディカル関連事業の譲受を完了したと公表しました。この事業譲受は2024年9月20日付の開示で決定が公表されていたもので、今回はその完了の公表です。
開示された事実
| 譲受(買い手) | ミネベアミツミ株式会社(連結子会社のエイブリック株式会社が譲受)(6479・東証プライム) |
|---|---|
| 譲渡対象 | 株式会社ソシオネクストのメディカル関連事業(ヘルスケア・メディカル領域向けのハンドヘルド型超音波診断装置用ソリューション(LSI・基板モジュール・装置)の開発・販売) |
| 所在地 | 日本 |
| 手法 | 事業譲受(2024年9月20日付で決定を公表し、2024年12月10日に完了) |
| 対価 | 非公表(開示資料に譲受価額の記載なし) |
| 日程 | 2024年9月20日 事業譲受の決定を公表/2024年12月10日 事業譲受を完了 |
開示資料によれば、譲受事業の内容は主に超音波診断装置及びLSIの開発・製造販売事業です。譲受部門の資産・負債の項目は「本件事業に係る仕掛品、製品、有形・無形固定資産」で、現金及び預金並びにそれ以外の金銭債権及び金銭債務は対象外と記載されています。譲受価額は開示資料に記載がありません(出典:ミネベアミツミ株式会社 2024年12月10日公表資料)。
対象事業はヘルスケア・メディカル領域向けにハンドヘルド型超音波診断装置用ソリューション(LSI・基板モジュール・装置)を開発・販売しており、開示資料は競争力の源泉がLSIに加えてファームウェアも含めたシステムの知見と、高精細画像生成を含む受信技術にあると説明しています。
買い手側の子会社は超音波診断装置の送信ICと高耐圧スイッチICを主力製品としており、今回の譲受により自社が強みとしていた送信技術と対象事業の受信技術の補完関係が生まれると説明しています。本事業譲受による2025年3月期の連結業績に与える影響は軽微と記載されています(出典:ミネベアミツミ株式会社 2024年12月10日公表資料)。
中小企業の経営者は、どう読むか
この開示は、何が移って何が移らないかを項目で書いています。移るのは仕掛品と製品と固定資産で、現金と債権と債務は対象外です。事業を単位にして譲るとき、この線引きがそのまま条件になります。
借入や買掛金が移らないということは、売り手の側にそれが残るということです。譲渡代金でそれを返すのか、会社に残したまま別の事業で返していくのかは、事業譲渡を選ぶときに先に考えておくところです。
決定の公表から完了までに三か月ほどかかっています。事業を単位にして譲る場合、契約や取引先の承諾、人の移籍、設備の引き渡しを一つずつ済ませる必要があるので、期間が長くなります。会社ごと譲る形より手間がかかる部分です。
買い手は、自社が持っていた技術と相手の技術が補い合うことを理由に挙げています。同じ装置の中で、送る側と受け取る側という別の部分を持っていた形です。自社の技術が誰の技術と組み合わさるかを考えると、買い手の候補が絞れます。
上場会社が買い手のとき、決定のときと完了のときで開示が二度出ることがあります。片方だけを読むと、条件も日程も取り違えます。同じ取引について複数の開示が出ていないかは、確かめておくところです。