医薬品の科研製薬は2024年12月20日、Aadi Subsidiary, Inc.の株式1,000株を取得し、議決権所有割合100%とすることを公表しました。
開示された事実
| 譲受(買い手) | 科研製薬株式会社(4521・東証プライム) |
|---|---|
| 譲渡対象 | Aadi Subsidiary, Inc.(医薬品) |
| 所在地 | 米国 |
| 手法 | 株式取得。特別目的会社を設立して1,000株(議決権所有割合100%)を取得。開示資料は、対象製品以外のパイプラインは譲渡対象外となる予定と注記している |
| 対価 | 100百万米ドル。実際の取得価額は株式譲渡契約に定められた価格調整等により確定する |
| 日程 | 特別目的会社の設立 2024年12月13日/取締役会決議 2024年12月19日/契約締結 2024年12月20日/株式譲渡実行 2025年6月30日までに(予定) |
取得価額は100百万米ドルです。開示資料は、実際の取得価額が株式譲渡契約に定められた価格調整等により確定すると注記しています(出典:科研製薬株式会社 2024年12月20日公表資料)。
開示資料は、対象となる製品以外のパイプラインは譲渡対象外となる予定であると注記しています(出典:科研製薬株式会社 2024年12月20日公表資料)。対象会社が持つ開発中の候補には、開発を中止したものや臨床第2相試験の段階にあるものが並んでいます。
取得価額の算定にあたっては、買い手から独立した第三者評価機関の評価を用いたと記載されています(出典:科研製薬株式会社 2024年12月20日公表資料)。
取得後の議決権所有割合は100%となります。日程は、特別目的会社の設立が2024年12月13日、取締役会決議が2024年12月19日、契約締結が2024年12月20日、株式譲渡実行が2025年6月30日までに(予定)と記載されています(出典:科研製薬株式会社 2024年12月20日公表資料)。
中小企業の経営者は、どう読むか
会社を買いながら、中にあるもののうち一部は対象外にしています。医薬品の開発では、承認された製品と開発中のものが同じ会社に入っています。買い手が欲しいのはそのうちの一部だった、ということです。
つまり、会社を渡すときに「これは付けない」という切り分けができます。自社の中に、渡したいものと手元に残したいものがあるなら、分けられるかを検討する余地があります。
実際の金額は、契約に定めた価格調整で確定すると書かれています。契約の時点で数字が固まっていない取引は珍しくありません。何をどう調整するのかは、契約の中に書かれています。
価額の算定には、買い手から独立した第三者の評価機関が入っています。金額の根拠を第三者に確かめさせる手順です。売り手の側も、自分の側の根拠を持っておくと交渉の基準ができます。
開発中のものは、この先どうなるか分かりません。それでも値段が付いています。将来の見込みに値段を付ける取引では、何がどうなればいくらになるのかという前提が必ず置かれています。