物理セキュリティシステムを手がけるセキュアは2025年3月17日、株式会社メディアシステムの株式を100%取得し子会社化することについて、全株式を保有していた株主らとの間で株式譲渡契約を締結したと公表しました。
開示された事実
| 譲受(買い手) | 株式会社セキュア(4264・東証グロース) |
|---|---|
| 譲渡対象 | 株式会社メディアシステム(電気通信工事業・電気工事業(防犯システム、防犯機器、通信システム等の工事および機器の販売・保守)) |
| 所在地 | 福島県福島市 |
| 手法 | 株式取得(全株式を保有していた株主らから100%を取得し子会社化) |
| 対価 | 非公表(開示資料に取得価額の記載なし) |
| 日程 | 株式譲渡実行日 2025年4月1日(予定・公表 2025年3月17日) |
開示資料によれば、取得株式数は400株で議決権所有割合は100.0%です。対象会社は1993年10月設立、資本金20百万円で、電気通信工事業・電気工事業を営んでいます(出典:株式会社セキュア 2025年3月17日公表資料)。
対象会社は福島県内で防犯システム、防犯機器、通信システム等の電気通信工事と機器の販売・保守を行っており、特に官公庁向けの高度なセキュリティシステムの導入実績を持ち、社内に設備工事に関する資格者が在籍していると記載されています。
取得の目的として同社は、成長戦略の具体的な施策として全国主要都市への事業拠点の拡大を計画していること、対象会社のノウハウと専門性を獲得して競争力を強化すること、自社のブランド力を活かした採用強化や顧客獲得の支援を通じて事業拡大に貢献できると考えていること、人材交流による技術共有を促進し自治体向けセキュリティサービスの導入拡大と高度な設計案件の受注につなげることを挙げています。
中小企業の経営者は、どう読むか
買い手が評価したのは、官公庁向けの導入実績と、社内にいる資格者でした。役所の仕事は実績がないと入りにくく、工事には資格者の数が要件になります。どちらも一朝一夕には揃わないもので、買い手が時間を節約するために引き継ぐ対象になります。
買い手は、自社のブランドを使って採用を支援することを理由に挙げています。人手の確保に困っている会社にとって、大きな会社の傘下に入ることは採用の面で効きます。譲渡を「従業員のため」と考えるなら、相手が採用力を持っているかは確かめる価値のある点です。
開示に取得価額の記載がありません。買い手の規模に比べて小さく、開示の基準に届かないためです。金額が公にならない案件は多く、公表されている案件だけを見ていると、実際の相場観からは離れていきます。
公表の時点で契約は締結済みで、実行は翌月の初日に置かれています。年度の切り替わりに合わせる形です。工事業では年度単位で動く取引が多いため、期の始まりに合わせるのは実務上の理由があります。