ボードルアは2026年9月1日と9月4日の2回にわたり、同年8月19日付で公表した「MBOの実施及び応募の推奨に関するお知らせ」の一部を訂正したと公表しました。訂正箇所には下線を付していると記載されています。対象は、ベインキャピタルの投資ファンドが持分の全てを保有する公開買付者による、東証プライム上場の同社株式の非公開化を目的とした公開買付けです。
開示された事実
| 譲受(買い手) | ビーシーピーイー ネオン ケイマン エルピー(Bain Capital Private Equity, LPが投資助言を行う投資ファンド及びそのグループが持分の全てを保有) |
|---|---|
| 譲渡(売り手) | 応募株主(公開買付け)及び創業者株主3名(公開買付けによらない並行買付け) |
| 譲渡対象 | 株式会社ボードルア(東証プライム・コード4413)(ITインフラストラクチャ事業(ITコンサルティング、マルチベンダー構築支援、運用保守のマネージドサービス、クラウド基盤導入支援)) |
| 所在地 | (開示資料に本店所在地の記載なし) |
| 手法 | 公開買付け(MBO。非公開化を目的とし、買付予定数の上限は設定しない)と、創業者株主3名からの公開買付けによらない株式譲渡(並行買付け)の組み合わせ。2026年8月19日付「MBOの実施及び応募の推奨に関するお知らせ」の一部訂正が9月1日付と9月4日付で2回公表された |
| 対価 | 公開買付価格は普通株式1株につき2,970円、新株予約権は第2回から第7回まで各1個につき1円。創業者株主3名からの並行買付けの1株当たりの譲渡金額は2,350円で、公開買付価格を下回る |
| 日程 | 2026年8月18日 取締役会決議・株式譲渡契約の締結/2026年8月19日 公開買付けの開始の公表/2026年8月28日 第4位株主との応募契約の締結/2026年9月1日 1回目の訂正/2026年9月4日 2回目の訂正/2026年10月13日 決済の開始日 |
9月1日付の訂正は、取締役会が公開買付けに賛同するに至った理由のうち、プレミアムの水準に関する記載です。訂正前は「類似事例との比較において必ずしも高い水準にあるとはいえないものの」とだけ書かれていましたが、訂正後は具体的な数値が加えられました。公開買付価格2,970円は、取締役会決議日の前営業日である2026年8月17日の終値2,861円に対して3.81%、直近1か月間の終値単純平均値2,855円に対して4.03%、直近3か月間の2,683円に対して10.70%、直近6か月間の2,347円に対して26.54%のプレミアムが加算されたものと記載されています(出典:株式会社ボードルア 2026年9月1日公表資料)
同じ訂正で、比較対象となる他社の類似取引事例の水準も加えられました。経済産業省が策定した「公正なM&Aの在り方に関する指針」の公表日である2019年6月28日以降に公表され、2026年8月18日までに成立した、上場会社を対象としたマネジメント・バイアウトによる非公開化を企図した公開買付けの事例115件について、プレミアム水準の平均値は公表日の前営業日が45.4%、直近1か月間が48.4%、直近3か月間が51.1%、直近6か月間が51.7%、中央値は順に41.8%、43.4%、46.1%、48.0%と記載されています(出典:株式会社ボードルア 2026年9月1日公表資料)
訂正後の記載は、プレミアム水準が類似事例の平均値及び中央値と比較して必ずしも高い水準にあるとはいえないとしたうえで、株価が直近3か月において一定の上昇傾向を示していることから長期的な株価推移を反映する直近6か月間のプレミアムも相応に勘案することが適切であること、及び基準日時点のPBRが10倍を上回る水準にあり、一般にPBRが高い銘柄では市場株価に対して付されるプレミアム率が相対的に低くなる傾向があると考えられることを挙げ、プレミアムの水準のみをもって価格の妥当性を否定的に評価することは適切ではないとしています(出典:株式会社ボードルア 2026年9月1日公表資料)
9月4日付の訂正は、公開買付けの概要と重要な合意に関する事項です。公開買付者が2026年8月28日付で、2026年2月28日現在における第4位株主との間で、その保有する全株式1,290,000株(所有割合3.93%)を公開買付けに応募し、応募を撤回しない旨の応募契約を締結したという記載が追加されました。応募契約には、公開買付価格のほかに当該株主に対して供与される利益に関する定めはないと記載されています(出典:株式会社ボードルア 2026年9月4日公表資料)
訂正の前後を通じて記載されているのは、創業者株主3名との並行買付けです。所有株式数は12,176,000株(所有割合37.09%)、4,539,000株(13.83%)、1,224,600株(3.73%)の合計17,939,600株(54.65%)で、公開買付けが成立した場合に、1株当たり2,350円という公開買付価格を下回る金額で、決済の開始日と同日付で公開買付者が取得する予定と記載されています(出典:株式会社ボードルア 2026年9月4日公表資料)
8月19日付の元の開示資料は、創業者株主が公開買付価格を下回る金額を受諾した経緯について、公開買付者から創業者株主以外の株主にとってより高い価格での売却機会を提供することを目的とした提案があり、公開買付けの円滑な成立を図るという判断から合意に至ったものと記載しています。創業者株主との間では公開買付価格に関する協議・交渉を行っていないとも記載されています(出典:株式会社ボードルア 2026年8月19日公表資料)
買付予定数は普通株式15,066,853株、買付予定数の下限は3,135,200株(所有割合9.55%)で、上限は設定されていません。下限は、公開買付けと並行買付けの後に公開買付者が総株主の議決権の3分の2以上を所有することとなるように算定されたと記載されています。決済の開始日は2026年10月13日、公開買付代理人は野村證券株式会社です(出典:株式会社ボードルア 2026年8月19日公表資料)
出典: 株式会社ボードルア「(訂正)「MBOの実施及び応募の推奨に関するお知らせ」の一部訂正に関するお知らせ」(2026年09月04日公表)
あわせて参照した出典: 株式会社ボードルア「(訂正)「MBOの実施及び応募の推奨に関するお知らせ」の一部訂正に関するお知らせ」(2026年09月01日公表)/株式会社ボードルア(TDnet適時開示。TDnetでの公開期間が終了しているため、URLは株探が保存する原本PDF)「MBOの実施及び応募の推奨に関するお知らせ」(2026年08月19日公表)/株式会社ボードルア(公開買付者の要請に基づく公表。TDnetでの公開期間が終了しているため、URLは株探が保存する原本PDF)「ビーシーピーイー ネオン ケイマン エルピーによる株式会社ボードルア(証券コード:4413)に対する公開買付けの開始に関するお知らせ」(2026年08月19日公表)
中小企業の経営者は、どう読むか
同じ会社の同じ株に、二つの値段が付いています。一般の株主は高いほう、創業者は低いほうです。
開示は理由をこう書いています。創業者が安く譲る代わりに、ほかの株主に高く売る機会を作る形です。
つまり買い手が出す総額は決まっていて、その分け方を当事者の間で先に決めたことになります。
中小企業の譲渡でも起こります。株主が複数いるとき、全員が同じ単価である必要はありません。
ただし、違う単価にするなら理由を書き残します。あとから少数株主に説明を求められる場面が来ます。
プレミアムの数字が、訂正で初めて入りました。前の書き方は高いとはいえないとだけ言っていました。
高いとはいえない理由として、株価純資産倍率が十倍を超えていることを挙げています。
帳簿の資産より市場の評価がずっと高い会社では、上積みの余地はもともと小さいという説明です。