文具・オフィス家具のコクヨは2026年9月30日、特別目的会社の増資について決議したと公表しました。
開示された事実
| 譲受(買い手) | コクヨ株式会社(特別目的会社 Synergy Investing ASIA Pte. Ltd. を通じて取得予定)(7984・東証プライム) |
|---|---|
| 譲渡(売り手) | (今回の開示は買収そのものではなく、買収のために設立した特別目的会社の増資) |
| 譲渡対象 | Thien Long Group Corporation および Thien Long An Thinh Investment Corporation の株式(取得を目的として設立した特別目的会社の増資)(—) |
| 所在地 | ベトナム |
| 手法 | 特別目的会社の増資(Thien Long Group Corporation の子会社化に向け、株式取得を目的として設立した特別目的会社に資金を入れる) |
| 対価 | 増資金額は未定。開示資料に「日本円建てで280億円で決議しておりますが、シンガポールドル建ての金額は送金時のレートにて決定いたします」と記載 |
| 日程 | 増資予定日は未定。開示資料に「ベトナム関係当局から認可を取得することを前提に実施いたします」と記載 |
開示資料によれば、開示会社がThien Long Group Corporationの子会社化に向け、Thien Long An Thinh Investment CorporationおよびThien Long Group Corporationの株式取得を目的として設立した特別目的会社の増資を行うものです。同社の増資後の資本金の額が開示会社の資本金の額の10%以上に相当するため、特定子会社に該当することとなります(出典:コクヨ株式会社 2026年9月30日公表資料)。
特別目的会社はシンガポールに所在し、2025年12月15日設立、資本金は1シンガポールドル、事業内容は投資事業、株式の所有および管理で、開示会社が100%を保有しています(出典:コクヨ株式会社 2026年9月30日公表資料)。
増資金額は未定とされ、日本円建てで280億円で決議しているものの、シンガポールドル建ての金額は送金時のレートにて決定すると記載されています。増資予定日も未定で、ベトナム関係当局から認可を取得することを前提に実施するとされています(出典:コクヨ株式会社 2026年9月30日公表資料)。
出典: コクヨ株式会社(TDnet 適時開示。東京証券取引所 適時開示情報閲覧サービス)「特定子会社の異動に関するお知らせ」(2026年09月30日公表)
中小企業の経営者は、どう読むか
買収そのものの開示ではなく、買うための受け皿となる会社にお金を入れる話です。海外の会社を買うときは、現地や第三国に会社を作り、そこを通じて取得する形がよく使われます。
受け皿の会社は、資本金がごくわずかな状態で先に作られていました。買うと決まってから資金を入れる段取りです。器を先に用意しておくと、話がまとまったときに動きが速くなります。
増資の日も金額も未定と書かれています。理由は、現地の当局の認可が前提だからです。海外では、当事者が合意しても、国の許可が下りるまで取引が完了しません。
円で決議していても、実際に送るのは外貨です。送金時の為替で金額が変わると明記されています。国をまたぐ取引では、合意した金額と実際に動く金額がずれます。