ワールドは2026年10月5日、持分法適用関連会社である株式会社W&Dインベストメントデザインが、内野株式会社の全ての事業および承継対象となる金融債務を同社が設立する新会社に吸収分割により承継させ、当該新会社をW&Dの完全子会社とすることを決議したと公表しました。開示資料は、内野が株式会社地域経済活性化支援機構による再生支援決定を受けていると記載しています。

開示された事実

譲受(買い手)株式会社W&Dインベストメントデザイン(株式会社ワールドと株式会社日本政策投資銀行が50%ずつ出資。ワールドの持分法適用関連会社)
譲渡(売り手)内野株式会社(分割会社。会社分割の効力発生日後、非承継資産の換価処分等を行った上で清算を行う予定)
譲渡対象内野株式会社の全ての事業(吸収分割により新会社が承継)(タオル他ライフスタイル製品の企画・卸・販売等)
所在地東京都中央区
手法株式会社地域経済活性化支援機構による再生支援決定を受けた内野の全ての事業および承継対象となる金融債務を、吸収分割の方法により新設する承継会社に承継させ、その後に承継会社が実施する第三者割当増資をW&Dが引き受けて完全子会社化する
対価開示資料に取得価額・出資額の記載はない
日程2026年11月10日 機構による債権買取決定等(予定)/2026年12月1日 会社分割の効力発生日・第三者割当増資引受日(予定)

開示資料は、事業承継の後に承継会社が実施する第三者割当増資をW&Dが引き受ける予定であること、これによりW&Dが承継会社の経営およびガバナンスを担いつつ事業再生を推進することを記載しています。分割会社である内野は、会社分割の効力発生日後、非承継資産の換価処分等を行った上で清算を行う予定とされています。

対象事業者である内野株式会社は、本店所在地が東京都中央区日本橋堀留町一丁目7番15号、設立年月日が1947年8月23日、資本金が50百万円、発行済株式総数が4,804,006株、事業内容がタオル他ライフスタイル製品の企画・卸・販売等、従業員数が612名(パート、アルバイト含む。2025年12月1日時点)です(出典:株式会社ワールド 2026年10月5日公表資料)

内野の事業規模は、2025年8月期の売上高が11,818百万円、総資産が10,500百万円です。主な事業所は本社のほか大阪支店、名古屋支店、福岡支店、札幌事業所、流通センターです(出典:株式会社ワールド 2026年10月5日公表資料)

W&Dは、本店所在地が東京都港区北青山三丁目5番10号、資本金が3百万円(2026年8月31日現在)、株主が株式会社ワールド50%と株式会社日本政策投資銀行50%、主な事業内容がファッション産業に関連する企業への投資事業です(出典:株式会社ワールド 2026年10月5日公表資料)

開示資料は、内野が創業から約90年にわたり独自の技術力および製品開発力を活かして自社ブランドを確立してきたこと、独自素材・技術や商品開発力、ブランド資産に加え国内の有力百貨店を中心とした顧客基盤やOEM・卸等の商流を有していることを記載しています。一方で百貨店市場における需要の縮小や為替変動による原価上昇、新規参入による競合激化といった厳しい経営環境が継続しており、在庫および固定費の大幅な削減、販売構造や拠点運営等の抜本的な見直しが急務となっているとしています。

再生の基本方針として、法人向け事業の拡大、一般消費者向け事業の再生、マネジメント・サプライチェーンの改革の3点が挙げられています。開示資料に取得価額・出資額の記載はありません。

出典: 株式会社ワールド「当社持分法適用関連会社(株式会社W&Dインベストメントデザイン)による内野株式会社の事業承継を目的とした新会社の設立および子会社化に関するお知らせ」(2026年10月05日公表)

中小企業の経営者は、どう読むか

会社は清算し、事業だけを新しい器に移します。借金も、引き受ける分だけを一緒に移します。

移さない資産は、元の会社に残して売り払い、そのお金を債権者に配ります。

中小企業の再生でも使われる形です。事業は続け、債務の整理は元の会社の中で済ませます。

ここでは国の機構が再生支援を決定し、金融機関から債権を買い取る段取りが先に入っています。

債権を買い取る人が決まらないと、どこまでの借金を新しい会社が負うのかが決まりません。

順番が大事です。債権の買取が十一月、事業の移転が十二月。先に借金の整理が来ます。

この会社は創業から約九十年で、従業員が六百人を超えます。事業そのものには値段が付きます。

売上が百十八億円あっても、借金の重さが残っていれば会社としては続けられない。それが分けた理由です。

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本記事は、各社が公表した適時開示資料などの一次情報を当社が要約したものです。当社の成約実績ではなく、当社が関与した案件でもありません。記載の事実は公表日時点のもので、その後変更されることがあります。詳細は出典の資料をご確認ください。