大東建託は2023年10月23日、関西圏で物流施設や公営住宅などの建築を中心に総合建設業を展開する株式会社シマの発行済全株式を取得するため、株式譲受契約を締結したと公表しました。
開示された事実
| 譲受(買い手) | 大東建託株式会社(1878・東証プライム・名証プレミア) |
|---|---|
| 譲渡(売り手) | 株式会社シマの株主(個人。開示資料は、株主は守秘義務による譲渡人からの要請により非開示と記載) |
| 譲渡対象 | 株式会社シマ(一般土木建築工事業(関西圏で物流施設や福祉施設、公営住宅などの建築)) |
| 所在地 | 大阪府大阪市浪速区 |
| 手法 | 株式譲渡(発行済全株式を取得。株式譲受契約を締結) |
| 対価 | 非開示(開示資料は、株式取得の相手先の意向により非開示と記載) |
| 日程 | 2023年10月23日 契約締結/2023年11月30日(予定) 株式譲受実行 |
取得株式数は147,000株(議決権147,000個)で、取得前の議決権所有割合は0%、取得後は100%です(出典:大東建託株式会社 2023年10月23日公表資料)
対象会社は1969年10月13日設立、所在地は大阪府大阪市浪速区、資本金は98百万円で、一般土木建築工事業を営んでいます。開示資料は、創業が1956年で、関西圏を中心に物流施設や福祉施設、公営住宅などの建築を手掛けてきたと記載しています(出典:大東建託株式会社 2023年10月23日公表資料)
対象会社の最近3年間の経営成績および財政状態は、株式取得の相手先の意向により、また買い手グループの連結業績に占める割合が軽微であるため非開示とされています。大株主および持株比率も、守秘義務による譲渡人からの要請により非開示です。
取得価額は非開示です。開示資料は、株式取得の相手先の意向によるものと記載しています。
買い手は、賃貸住宅事業を中心としており「建設領域の拡大」を重要課題としていること、対象会社が民間工事・公共工事の受注を安定的に獲得していることを記載しています。
本件株式取得に伴いのれんが計上される見込みで、来期以降の業績に与える影響は明らかになった時点で開示するとしています。連結業績予想への影響は軽微としています。
出典: 大東建託株式会社「非住宅分野・公共事業領域における建設領域の拡大、株式会社シマの株式取得に関するお知らせ」(2023年10月23日公表)
中小企業の経営者は、どう読むか
売り手の意向で、業績の数字も株主の名前も持株比率も出ていません。上場会社が買い手でも、ここまで伏せられる場合があります。何を出すかは交渉で決められます。
買い手は「連結業績に占める割合が軽微」という理由も併せて挙げています。買い手にとって小さい取引だと、開示する義務が生じにくくなります。
買い手が見ていたのは、公共工事を安定して取れていることでした。誰から受注しているかは、それ自体が評価の対象になります。
建設業では許認可と技術者の要件が事業の前提になります。株式を渡す形なら会社がそのまま続くので、許認可も原則として残ります。進め方によって扱いが変わるところです。
のれんが出る見込みだと明記されています。純資産より高い値段で買ったという意味で、買い手は将来の稼ぎに払っています。
契約から引き渡しまで一か月以上あります。引き継ぎの準備や社内の手続きに時間を取っています。
創業から数えると七十年近い会社です。長く続けた会社の承継先が、同じ業種の大手になることもあります。