インバウンドテックは2024年1月10日、ICheck株式会社が提供する医師会及び健康保険組合の帳票作成代行事業(ヘルスケアBPO事業)の譲り受けに係る契約を締結したと公表しました。対象事業の内容は、医師会及び健康保険組合を顧客とする健康診断結果のデータ化(帳票作成代行)と記載されています。
開示された事実
| 譲受(買い手) | 株式会社インバウンドテック(7031・) |
|---|---|
| 譲渡(売り手) | ICheck株式会社 |
| 譲渡対象 | ICheck株式会社のヘルスケアBPO事業(医師会及び健康保険組合の帳票作成代行事業)(医師会及び健康保険組合を顧客とする健康診断結果のデータ化(帳票作成代行)) |
| 所在地 | 東京都中央区湊(譲渡元の所在地) |
| 手法 | 事業譲受(ICheck株式会社が提供する医師会及び健康保険組合の帳票作成代行事業を譲り受ける) |
| 対価 | 譲受価額は、買い手の2024年3月期連結純資産の1%未満であり、対象事業の直前事業年度の営業利益を基に将来の収益に対する見積等を考慮して算出したとされ、具体的な金額は先方の意向を踏まえて非開示。決済方法は現金決済 |
| 日程 | 2024年1月10日 譲受決定日・契約締結日・事業譲渡実行日/2024年2月29日 事業譲渡完了日 |
対象事業の売上高は2022年11月期70,415千円、2023年11月期58,929千円、営業利益は同じ順に9,319千円、△5,697千円と記載されています。譲り受ける資産・負債は2023年11月末時点で固定資産589千円、流動負債0円、合計589千円です(出典:株式会社インバウンドテック 2024年1月10日公表資料)
譲受価額は、買い手の2024年3月期連結純資産の1%未満であり、対象事業に係る直前事業年度の営業利益を基に将来の収益に対する見積等を考慮して算出したとされ、具体的な金額は先方の意向を踏まえて非開示とされています。決済方法は現金決済です(出典:株式会社インバウンドテック 2024年1月10日公表資料)
譲渡元のICheck株式会社は、所在地が東京都中央区湊、事業内容が検査キット事業・健康マーケットプレイス事業・健康プラットフォーム事業、資本金が2億8,735万円(うち資本準備金1億3,867万5千円)、設立年月日が2020年12月10日です。大株主及び持株比率、純資産、総資産については未入手につき非開示と記載されています(出典:株式会社インバウンドテック 2024年1月10日公表資料)
開示資料は、買い手が24時間365日対応の多言語コンタクトセンター事業とセールスアウトソーシング事業を中心としており、近年は外国人滞在者の新型コロナワクチンの予約業務や医師予約サービスの窓口など医療関連業務も増えていると記載しています。本件取得による業績に与える影響は軽微と記載されています。
日程は、譲受決定日・契約締結日・事業譲渡実行日がいずれも2024年1月10日、事業譲渡完了日が2024年2月29日です。
出典: 株式会社インバウンドテック「医師会及び健康保険組合の帳票作成代行事業譲受に関するお知らせ」(2024年01月10日公表)
中小企業の経営者は、どう読むか
会社ではなく、事業だけを買う形です。契約も人も、自動では移りません。移すものを一つずつ書き出すところから始まります。
譲り受ける資産が、固定資産だけのごく小さな額です。買っているのは物ではなく、顧客との取引と、その仕事の進め方です。
対象事業は直前の期で営業損益が赤字に転じています。値段の根拠を直前の期の営業利益に置いているので、どの期を基準に見るかで話が変わります。
金額が出ていません。相手方の意向による非開示で、中小企業の事業譲渡でもよくある形です。
決定・契約・実行が同じ日で、完了は後に置かれています。実行の日と、引き継ぎが終わる日は別だということです。
顧客が医師会や健康保険組合です。相手が替わることをいつ、どう伝えるかで、残る取引の数が変わります。
譲渡元の純資産や株主が未入手で非開示になっています。相手の全体像が見えなくても事業だけは買える、という形です。