松屋は2024年1月12日、株式会社B4Fからの事業譲受に向けた基本合意書を締結したと公表しました。これは基本合意の段階で、事業譲渡契約の決議と締結は2024年2月中旬(予定)とされています。決定ではなく、協議の開始です。
開示された事実
| 譲受(買い手) | 株式会社松屋(8237・) |
|---|---|
| 譲渡(売り手) | 株式会社B4F |
| 譲渡対象 | 株式会社B4Fの定価販売事業(ECサイトの運営(定価販売事業)) |
| 所在地 | 東京都渋谷区富ヶ谷(譲渡元の所在地) |
| 手法 | 事業譲受(基本合意書の締結。株式会社B4Fの定価販売事業を対象とする) |
| 対価 | 譲受け価額は非開示。現金での決済を予定と記載。譲受け事業に関連する有形資産・無形資産・契約の金額も非開示 |
| 日程 | 2024年1月12日 基本合意書締結/2024年2月中旬(予定) 事業譲渡契約決議日・事業譲渡契約締結日/2024年4月下旬(予定) 事業譲受期日 |
譲受け事業の内容はB4F社の定価販売事業で、譲受け事業の経営成績は非開示とされています。譲受け事業における資産・負債の項目は、譲受け事業に関連する有形資産・無形資産・契約とされ、金額は非開示です。譲受け価額も非開示で、現金での決済を予定すると記載されています。
譲渡元のB4Fは、所在地が東京都渋谷区富ヶ谷、主な事業内容がECサイトの運営、設立年月日が2010年3月8日、資本金が100百万円です。相手先との守秘義務契約により経営成績等は非開示とされています(出典:株式会社松屋 2024年1月12日公表資料)
開示資料は、買い手と譲渡元の関係について、買い手がシステム開発の委託契約を結んでいると記載しています。
開示資料は、買い手が銀座店を中核として百貨店事業を行っており、譲渡元から事業を譲り受けることでデジタル人材を質と量ともに強化し百貨店のDX化を進めるとしています。
会計処理については、本件が企業結合会計基準上の「取得」に該当し、これに伴う取得原価の配分及びのれん・無形資産の償却期間は現在精査中と記載されています。
日程は、基本合意書締結が2024年1月12日、事業譲渡契約決議日と事業譲渡契約締結日が2024年2月中旬(予定)、事業譲受期日が2024年4月下旬(予定)です。
出典: 株式会社松屋「事業譲受に向けた基本合意書締結のお知らせ」(2024年01月12日公表)
中小企業の経営者は、どう読むか
この開示は基本合意で、譲渡そのものはまだ決まっていません。条件を詰める入口に立った段階です。
基本合意から契約まで一か月、引き渡しまで三か月余りの日程が置かれています。この間に中身を調べ、条件を固めます。
価額も、対象の資産の金額も、事業の成績も出ていません。相手が非上場で、守秘義務があるためです。
買う対象が会社ではなく事業です。契約も人も自動では移らないので、何を移すかを一つずつ決めます。
譲り受けるものに「契約」が挙げられています。相手方の承諾が要る契約が混じっていれば、そこが日程を決めます。
買い手の目的として、人の確保が挙げられています。事業譲渡で人を引き継ぐには、本人の同意が必要です。
もともとシステム開発を委託していた相手です。仕事の付き合いがあると、相手の中身は見えやすくなります。
基本合意の時点では、まだ引き返せます。どの段階から引き返しにくくなるのかを、先に確かめておきます。