フルテックは2024年1月15日、株式会社ワイズ・コーポレーションの株式取得(子会社化)を公表しました。開示資料は、買い手が成長戦略のひとつとして自動ドア以外の新商品の開発を掲げており、対象会社がセキュリティボックスをはじめとする組込み系制御システムの企画・設計・システム開発・製造で培った製品開発力を有していると記載しています。
開示された事実
| 譲受(買い手) | フルテック株式会社(6546・) |
|---|---|
| 譲渡(売り手) | 対象会社の株主(個人1名が90.8%。その他の相手先は株式譲渡契約における守秘義務を踏まえ非開示と記載) |
| 譲渡対象 | 株式会社ワイズ・コーポレーション(組込み系制御基板の開発・設計・製造、コンピュータ応用機器のシステム企画・開発設計・製造、ソフトウェアの受託開発・製作) |
| 所在地 | 東京都中野区本町 |
| 手法 | 株式譲渡(議決権所有割合98.7%を取得して子会社化) |
| 対価 | 取得価額は相手方の意向を踏まえ開示を差し控えると記載。財務・法務デューデリジェンスを実施し、客観的に合理的な評価方法に基づく評価額を考慮して妥当な金額を算出し、協議のうえ決定したと記載 |
| 日程 | 2024年1月15日 取締役会決議日/2024年1月16日 契約締結日・株式譲渡実行日 |
異動前の所有株式数は0株(議決権所有割合0.0%)、取得株式数は750株(議決権の数750個)、異動後は750株(議決権所有割合98.7%)です。取得価額は相手方の意向を踏まえ開示を差し控えるとされ、財務・法務デューデリジェンスを実施し、客観的に合理的な評価方法に基づく評価額を考慮して妥当な金額を算出し協議のうえ決定したと記載されています(出典:フルテック株式会社 2024年1月15日公表資料)
対象会社は、所在地が東京都中野区本町、事業内容が組込み系制御基板の開発・設計・製造、コンピュータ応用機器のシステム企画・開発設計・製造、集中管理システムやマルチメディア関連・情報通信・PC応用製品、ソフトウェアの受託開発・製作、資本金が41百万円、設立年月日が1993年10月20日です。大株主及び持株比率は個人1名が90.8%と記載されています(出典:フルテック株式会社 2024年1月15日公表資料)
対象会社の純資産は2021年9月期111百万円、2022年9月期112百万円、2023年9月期129百万円、売上高は同じ順に607百万円、729百万円、763百万円と記載されています。営業利益・経常利益・当期純利益は相手先の意向により非開示とされています(出典:フルテック株式会社 2024年1月15日公表資料)
開示資料は、個人1名以外の株式取得の相手先について、株式譲渡契約における守秘義務を踏まえ非開示とするとしたうえで、当該相手先について記載すべき資本関係・人的関係・取引関係・関連当事者への該当状況はないと記載しています。
日程は、取締役会決議日が2024年1月15日、契約締結日と株式譲渡実行日が2024年1月16日です。対象会社は買い手の連結子会社となる予定で、損益計算書の連結開始は2024年12月期第2四半期から、貸借対照表は2024年12月期第1四半期からの連結を予定すると記載されています。
出典: フルテック株式会社「株式会社ワイズ・コーポレーションの株式取得(子会社化)に関するお知らせ」(2024年01月15日公表)
中小企業の経営者は、どう読むか
売上は三期で伸びているのに、利益の額は開示されていません。相手先の意向による非開示で、中小企業の譲渡ではよくある形です。
値段も出していませんが、財務と法務の調査を経て決めたことは書いています。金額ではなく、決め方を説明する形です。
持株比率が百パーセントに届かず、わずかに残っています。残った株主が誰で、何ができるのかは確かめておく論点です。
株主の一人が九割を持っていて、残りの相手先は明かされていません。全部を集めるには、名前の出ない相手とも合意が要ります。
設立から三十年の会社です。古い会社には、登記や昔の契約の整理が残っていることがあります。
買い手は自動ドアの会社で、買う相手は制御基板の会社です。自社の製品の中身を作れる相手を取り込む形です。
買い手は、対象会社の製品を自社の販売ルートに乗せることにも触れています。買ったあと何をするかが先に決まっている例です。
契約と実行が同じ日です。段取りが先に固まっていたことが、この間隔に出ています。
損益計算書と貸借対照表で、連結を始める時期が違うと書かれています。数字への反映は、実行の日と同じではありません。