ラクオリア創薬は2024年2月14日、ファイメクス株式会社の株式取得(子会社化)を公表しました。開示資料は、対象会社が創薬の新たなモダリティである標的タンパク質分解誘導剤を用いて、従来治療薬の創製がきわめて困難とされてきた疾患に対する医薬品の創出を目指す2018年創業のスタートアップ企業であると記載しています。
開示された事実
| 譲受(買い手) | ラクオリア創薬株式会社(4579・) |
|---|---|
| 譲渡(売り手) | 対象会社の株主(大株主は個人1名が15.8%、投資事業有限責任組合4者が各14.5〜14.9%、個人1名が11.3%) |
| 譲渡対象 | ファイメクス株式会社(タンパク質分解誘導を機序とする新規医薬品の研究開発) |
| 所在地 | 神奈川県藤沢市村岡東 |
| 手法 | 株式譲渡(議決権所有割合100%を取得して連結子会社化。発行済株式と新株予約権を取得する) |
| 対価 | クロージング時の取得価額の総額は取得価額4,500百万円、アドバイザリー費用等(概算額)17百万円。買い手は株式譲渡実行日時点で現金4,500百万円を支払う予定で、あわせてアーンアウト対価として、対象会社と他者との契約等から発生した契約一時金収入・マイルストン収入・ロイヤルティ収入及び委受託に係る収入に基づき、あらかじめ定めた算定方法で求めた金額を売主に支払うと記載。クロージング時の取得のための資金は自己資金にみずほ銀行を中心とするシンジケートローンを加えると記載 |
| 日程 | 2024年2月14日 取締役会決議日・契約締結日/2024年3月26日(予定) 株式譲渡実行日 |
異動前の所有株式数は0株(議決権の数0個・議決権所有割合0%)、取得株式数は発行済株式数35,352株と新株予約権1,141個、異動後は35,352株(議決権の数35,352個・議決権所有割合100%)です。クロージング時の取得価額の総額は取得価額4,500百万円、アドバイザリー費用等(概算額)17百万円です(出典:ラクオリア創薬株式会社 2024年2月14日公表資料)
開示資料は、買い手が株式譲渡実行日時点で現金4,500百万円を支払う予定であるとしたうえで、あわせてアーンアウト対価として、対象会社と他者との契約等から発生した契約一時金収入・マイルストン収入・ロイヤルティ収入及び委受託に係る収入に基づき、あらかじめ定めた算定方法を用いて求められた金額を売主に対して支払うと記載しています。クロージング時の取得のための資金については、自己資金にみずほ銀行を中心とするシンジケートローンを加えると記載されています(出典:ラクオリア創薬株式会社 2024年2月14日公表資料)
対象会社は、所在地が神奈川県藤沢市村岡東、事業内容がタンパク質分解誘導を機序とする新規医薬品の研究開発、資本金が100百万円、設立年月日が2018年1月18日です。大株主及び持株比率は個人1名が15.8%、投資事業有限責任組合4者が各14.5〜14.9%、個人1名が11.3%と記載されています(出典:ラクオリア創薬株式会社 2024年2月14日公表資料)
対象会社の純資産は2021年12月期△45百万円、2022年12月期1,192百万円、2023年12月期625百万円、総資産は同じ順に512百万円、1,571百万円、848百万円、売上高は2021年12月期と2023年12月期が記載なし、2022年12月期が504百万円、営業利益は△353百万円、△35百万円、△576百万円と記載されています(出典:ラクオリア創薬株式会社 2024年2月14日公表資料)
会計処理について、買い手は本株式取得によりのれんを計上する見込みだがその金額は現在精査中と記載されています。日程は、取締役会決議日と契約締結日が2024年2月14日、株式譲渡実行日が2024年3月26日(予定)です。
出典: ラクオリア創薬株式会社「ファイメクス株式会社の株式取得(子会社化)に関するお知らせ」(2024年02月14日公表)
中小企業の経営者は、どう読むか
値段が二段構えです。引き渡しのときに現金を払い、そのあと入ってくる収入に応じて追加で払う形です。
この追加の対価は、買ったあとの成果に連動します。売り手は売ったあとも受け取る権利を持ち続けます。
中小企業の譲渡でも、将来の成果に値段を連動させる形は使われます。何をもって達成とするのかを数えられる形にしておきます。
とくに研究開発の会社は、今の売上では価値が測れません。だから将来の収入で払う形が選ばれます。
対象会社は売上が立たない期があり、営業損益は赤字が続いています。それでも高い値段が付いています。
見られているのは過去の数字ではなく、権利と、それが生むかもしれない収入ということになります。
株主が個人とファンドに細かく分かれています。全部を集めるには、相手の数だけ合意が要ります。
新株予約権も一緒に取得しています。株だけ買っても、権利が残っていれば持ち分が薄まります。
買う資金を、自己資金と複数の銀行からの借入れで組んでいます。買い手の資金の出どころを確かめる理由がここにあります。