マーチャント・バンカーズは2024年2月19日、「土岐グランドボウル」の事業譲渡を公表しました。開示資料は、買い手が投資会社として不動産の保有による賃料や売却による利益を収益基盤としており、これまでホテル事業やインターネットカフェ事業から撤退してきたうえで、今般この事業を譲渡して長期安定的な賃料収入を確保すると記載しています。
開示された事実
| 譲受(買い手) | 株式会社スポルト |
|---|---|
| 譲渡(売り手) | マーチャント・バンカーズ株式会社(譲渡後も土地建物を保有し、定期建物賃貸借契約を締結する) |
| 譲渡対象 | 「土岐グランドボウル」の事業(ボウリング場の運営) |
| 所在地 | 岐阜県土岐市(施設の所在地) |
| 手法 | 事業譲渡(事業は無償で譲渡し、譲渡会社は引き続き土地建物を保有したうえで、譲受側と10年間の定期建物賃貸借契約を締結する) |
| 対価 | 事業は無償で譲渡。譲渡会社は土地建物を保有したまま10年間の定期建物賃貸借契約を締結し、2024年4月から2026年3月までは年間15百万円、2026年4月から2034年3月までは年間18百万円の賃料収入を見込むと記載 |
| 日程 | 2024年2月19日 取締役会決議日・基本合意書締結日/2024年3月初旬(予定) 事業譲渡契約書並びに定期建物賃貸借契約書締結日/2024年3月31日(予定) 事業譲渡日 |
事業は無償で譲渡され、譲渡会社は引き続き土岐グランドボウルにかかる土地建物を保有したうえで、譲受側と10年間の定期建物賃貸借契約を締結します。賃料収入は、2024年4月から2026年3月までが年間15百万円、2026年4月から2034年3月までが年間18百万円を見込むと記載されています(出典:マーチャント・バンカーズ株式会社 2024年2月19日公表資料)
譲渡の相手先は、所在地が名古屋市中区千代田、事業内容がボウリング場の運営(直営12カ所・業務受託2カ所)、ボウリング教室の開催、ボウリング場運営に関する各種サービス提供、ボウリング関連商品の企画開発及び販売、資本金が1,000万円、設立年月日が2011年7月14日です(出典:マーチャント・バンカーズ株式会社 2024年2月19日公表資料)
譲渡会社と譲渡の相手先との間の資本関係・人的関係・取引関係は、いずれもないと記載されています。
日程は、取締役会決議日と基本合意書締結日が2024年2月19日、事業譲渡契約書並びに定期建物賃貸借契約書締結日が2024年3月初旬(予定)、事業譲渡日が2024年3月31日(予定)です。
開示資料は、本件事業譲渡により2024年10月期の業績に与える影響は軽微であるとしています。
出典: マーチャント・バンカーズ株式会社「土岐グランドボウルの事業譲渡に関するお知らせ」(2024年02月19日公表)
中小企業の経営者は、どう読むか
事業を無償で渡しています。代金はゼロで、そのかわり建物の賃料を十年にわたって受け取る形です。
渡したのは運営で、残したのは土地と建物です。何を渡し、何を残すのかをはっきり分けた例です。
中小企業でも同じ形は選べます。事業をやめたいが不動産は持ち続けたい、というときに使えます。
買う側から見れば、代金を払わずに運営を引き受けられます。そのかわり家賃を払い続けます。
どちらにとっても、一度の売買ではなく十年の関係になります。相手が続くかどうかが、取引の前提です。
賃料が途中で上がる取り決めになっています。最初を軽くして立ち上がりを助ける形です。
この形では、代金の交渉ではなく賃料と期間の交渉になります。値段が出ない取引もあるということです。
ボウリング場は建物と設備で成り立つ事業です。運営だけを渡しても、設備の修繕を誰が負うのかは決めておきます。