ALiNKインターネットは2024年2月27日、気象データを活用したダイナミックプライシング事業を新たな事業として開始することを決議したと公表し、あわせてその事業に先立ちレンタルスペース事業を事業譲受して実証実験を実施すると記載しています。開示資料は、本事業譲受が有価証券上場規程に定める軽微基準に該当するが有用な情報と判断して任意開示するものであり、開示事項の項目・内容を一部省略していると明記しています。
開示された事実
| 譲受(買い手) | 株式会社ALiNKインターネット(7077・東証グロース) |
|---|---|
| 譲渡(売り手) | 開示資料に譲渡元の記載はない(軽微基準に該当するため開示事項の項目・内容を一部省略していると記載) |
| 譲渡対象 | レンタルスペース12店舗及びサービスサイト(レンタルスペース事業) |
| 所在地 | 首都圏 |
| 手法 | 事業譲受(首都圏のレンタルスペース12店舗とそれらのサービスサイトを譲り受ける) |
| 対価 | 譲受価額は14,000千円(税抜) |
| 日程 | 2024年2月27日 取締役会決議/2024年4月1日 事業譲受日 |
事業譲受の概要は、事業の内容がレンタルスペース12店舗及びサービスサイト、事業譲受日が2024年4月1日、譲受価額が14,000千円(税抜)です(出典:株式会社ALiNKインターネット 2024年2月27日公表資料)
開示資料は、買い手が天気予報専門メディアを一般財団法人日本気象協会との共同事業として運営しており、気象データを活用して最適な価格を算出するダイナミックプライシングの技術を基盤とした新たな事業を開始することを決定したと記載しています。
実証実験の内容について、開示資料は、首都圏のレンタルスペースとそのサービスサイトを譲り受け、市況・個人の嗜好・人流データ・立地や地理情報等のデータに気象データを組み合わせることで需要の変化を予測し利益を最適化するよう分析するとしています。同一の駅を基点として駅近と駅遠のレンタルスペースが天気や気温差でどのような需要の変化を受けるかなどを分析するとされています。
レンタルスペース事業を実証実験の対象とした理由として、開示資料は、比較的投資額が少なくリスクが低いこと、利用者はネット取引で完結するためデータを収集しやすいことなどを挙げています。
新たな事業のために特別に支出する予定額について、開示資料は、当面の事業のために特別に支出する額は本事業譲受に要する資金のみを予定していると記載しています。本件が2024年2月期の業績に与える影響は軽微とされています。
出典: 株式会社ALiNKインターネット「新たな事業の開始及び事業譲受に関するお知らせ」(2024年02月27日公表)
中小企業の経営者は、どう読むか
買う目的が、事業そのものではなく、試すための場を手に入れることです。
自社の技術を確かめるために、小さい事業を買う形です。買収が実験の手段になっています。
中小企業でも、買い手の目的が「数字」ではないことがあります。何のために買うのかを聞いておきます。
値段は一千数百万円です。会社ではなく店舗と仕組みだけを買う形なので、小さく収まっています。
買う対象に、店舗と予約のサイトの両方が入っています。器と、客が来る導線の両方を揃えないと回りません。
開示が要らない大きさだが、有用だから出すと自分から書いています。出す義務の有無と、伝える価値は別です。
事業だけを買うので、相手の会社や過去の債務は付いてきません。移すものを一つずつ決める形です。
レンタルスペースは賃貸借契約で成り立つ事業です。貸主の承諾が要る契約が混じっていれば、そこが日程を決めます。