三浦工業は2024年3月29日(日本時間)、Cleaver-Brooks社を買収することを決定したと公表しました。方式は、買い手の完全子会社であるBLUE MILE, INC.とCBE ENTERPRISES, INC.の合併によるもので、株主総会における合併の承認を前提としています。対象会社の株主には現金対価が交付される一方、買い手側が保有する買収子会社の株式は存続会社の株式となると記載されています。
開示された事実
| 譲受(買い手) | 三浦工業株式会社(6005・東証プライム) |
|---|---|
| 譲渡(売り手) | CBE ENTERPRISES, INC.の株主(開示資料に個別の記載はない) |
| 譲渡対象 | CBE ENTERPRISES, INC.(Cleaver-Brooks社)(小型から大型のボイラの製造・販売・メンテナンス・機械設備エンジニアリング等) |
| 所在地 | 米国(ミズーリ州セントルイス) |
| 手法 | 買い手の完全子会社であるBLUE MILE, INC.(買収子会社)とCBE ENTERPRISES, INC.の合併による買収。株主総会における合併の承認を前提とし、対象会社の株主には現金対価が交付される一方、買い手側が保有する買収子会社の株式は存続会社の株式となる |
| 対価 | 開示資料は、対象会社の企業価値を774百万米ドル(1米ドル150円換算で約1,161億円)と記載 |
| 日程 | 2024年3月29日(日本時間)取締役会決議・契約締結/2025年3月期上半期 実行(予定) |
開示資料は、対象会社の企業価値を774百万米ドル(1米ドル150円換算で約1,161億円)と記載しています(出典:三浦工業株式会社 2024年3月29日公表資料)
対象会社は、所在地が米国ミズーリ州セントルイス、資本金が41百万米ドル、設立が2015年2月です。小型から大型のボイラを製造・販売・メンテナンス・機械設備エンジニアリング等を行っており、米国において強固な事業基盤を築いていると記載されています。
対象会社の連結経営成績は、直近3期の連結売上高が383.1百万米ドル、433.6百万米ドル、486.7百万米ドル、連結営業損益が▲7.5百万米ドル、10.5百万米ドル、15.2百万米ドルです。連結純資産は▲14.9百万米ドル、▲50.5百万米ドル、▲78.2百万米ドルで3期とも負の値、連結総資産は577.1百万米ドル、499.2百万米ドル、513.6百万米ドルです。
開示資料は、対象会社が2024年3月期に連結売上高約573百万米ドル、連結EBITDA約88百万米ドルを見込んでいると記載しています。
開示資料は買収の背景について、米国におけるボイラ業界の事業環境が、サプライチェーンの安定化を図る製造拠点の米国内回帰の動き、サステイナビリティへの高い関心、政府が掲げる補助金の拡大などにより堅調に推移し、米国産業用ボイラの市場規模が継続的に拡大していることを挙げています。
買い手はエネルギー有効利用技術と水処理技術に加え、環境関連技術を軸とした事業分野で製品やサービスを創出してきたと記載されています。
出典: 三浦工業株式会社「当社によるCleaver-Brooks社の買収に関するお知らせ」(2024年03月29日公表)
中小企業の経営者は、どう読むか
値段を株の代金ではなく、会社の値打ち全体で示しています。企業価値という言い方です。
企業価値は、株の代金に借金を足したものです。借金が多ければ、株主が受け取る分は減ります。
この会社は純資産が三期とも負で、借金が重い状態です。だから株の代金だけでは測れません。
中小企業の譲渡でも同じです。借金の多い会社は、同じ事業でも株の値段が小さくなります。
逆に言えば、借金を減らしておけば、同じ事業でも手取りは増えます。売る前の整理が効きます。
方式は、買い手が作った子会社と相手を合併させる形です。株を一株ずつ買い集めません。
株主が多い会社を丸ごと取るときに使われます。合併の承認が取れれば全員が対象になります。
この会社の利益は三期で赤字から黒字へ戻しています。折り返しを見てから動いた形です。