物流のNIPPON EXPRESSホールディングスは2024年9月30日、ヘルスケア産業向けに物流事業を展開するドイツ企業SH HoldCo GmbHの全ての株式を取得することについて全株主と合意し、株式譲渡契約を締結することを決定したと公表しました。

開示された事実

譲受(買い手)NIPPON EXPRESSホールディングス株式会社(9147・東証プライム市場)
譲渡対象SH HoldCo GmbH(Simon Hegele)(医療機器・その他産業関連のロジスティクスサービス)
所在地ドイツ・カールスルーエ
手法株式取得(現金を対価として全株主から100%を取得。売主は6社の株主で構成)
対価非開示(開示資料に「守秘義務により開示を控えさせていただきます」と記載)
日程2024年9月30日 株式譲渡契約締結/2025年度第1四半期 株式譲渡実行予定(前提条件の充足状況により前後する可能性あり)

開示資料によれば、買い手は現金を対価として全株主から100%の株式を取得します。異動前の所有株式数は0株(議決権所有割合0.0%)、異動後は全株式(議決権所有割合100.0%)です。取得価額は守秘義務により開示を控えるとされています。本件取引の売主は6社の株主で構成されますが、相手先の概要は全株主を代表している1社についてのみ記載されています(出典:NIPPON EXPRESSホールディングス株式会社 2024年9月30日公表資料)。

日程は、契約締結日が2024年9月30日、株式譲渡実行日が2025年度第1四半期の予定です。前提条件の充足状況により株式譲渡実行日が前後する可能性があると記載されています。対象会社の傘下にはグループ会社30社があり、資本金は262,920ユーロ(約42百万円)、グループの創立年は1920年です。2023年12月期のグループ業績は連結純資産40百万ユーロ(約6,329百万円)、連結総資産230百万ユーロ(約36,735百万円)、連結売上高318百万ユーロ(約50,938百万円)、連結EBIT 3.7百万ユーロ(約593百万円)で、換算レートは1ユーロ=160円です(出典:NIPPON EXPRESSホールディングス株式会社 2024年9月30日公表資料)。

対象会社は大型の精密医療機器およびその部品の保管・配送・配送先での設置や各種付加価値サービスを主力事業とし、ドイツを中心に欧州、米州およびアジア太平洋地域に展開してきました。買い手は、専門性の高い物流プラットフォームを武器に産業特有のニーズに応えることで強固な顧客基盤が構築されていると評価し、ヘルスケア産業の分野で希少性と拡張性の高い経営資源を獲得することになると説明しています。

出典: NIPPON EXPRESSホールディングス株式会社(TDnet適時開示。TDnetでの公開期間が終了しているため、URLは株探が保存する原本PDF)「SH HoldCo GmbH の株式取得(子会社化)に関するお知らせ」(2024年09月30日公表)

中小企業の経営者は、どう読むか

売り手は一人ではなく、複数の株主に分かれています。全部を取得するには、その全員と合意しなければなりません。株式が分散している会社では、価格に納得しない一人がいるだけで話が止まるので、誰が何を持っているかを先に整理しておくことになります。

対象会社の傘下には、数十社のグループ会社があります。上の会社の株式を取得すると、その下にある会社も一緒についてきます。自社に子会社や関連会社があるなら、どこまでを譲る範囲にするのかを、価格の話の前に決めておくところです。

契約を結んだ日と、実際に株式が動く日が年度をまたいでいます。海外の会社では各国の手続きが挟まるので、この間が長くなります。開示資料も、日程が前後する可能性があると断っています。契約したあとも、終わるまでは会社を普通に動かし続ける必要があります。

買い手が評価したのは、その業界に特化した物流のしくみと、それによって築かれた顧客基盤でした。運ぶものが大型で精密な機器だと、誰でもできる仕事ではなくなります。自社の仕事のうち、他社には代わりが難しい部分はどこかを言葉にできると、買い手に伝わります。

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本記事は、各社が公表した適時開示資料などの一次情報を当社が要約したものです。当社の成約実績ではなく、当社が関与した案件でもありません。記載の事実は公表日時点のもので、その後変更されることがあります。詳細は出典の資料をご確認ください。