ソーシャルワイヤーは2024年10月1日、取締役会において、連結子会社であるトランスマート株式会社の全株式を譲渡することを決議したと公表しました。これにより対象会社は連結の範囲から除外される予定です。

開示された事実

譲受(買い手)JAPAN AI株式会社(譲受先・人工知能の研究開発)
譲渡対象トランスマート株式会社(ソーシャルワイヤーの連結子会社)(クラウドソーシング翻訳サービス、個別専門翻訳サービス)
所在地東京都港区
手法株式譲渡(上場会社が保有する連結子会社株式の全部を譲渡。連結の範囲から除外)
対価譲渡価額の総額32,500,000円
日程取締役会決議・株式譲渡契約締結・株式譲渡実行 いずれも2024年10月1日(実行は予定)

開示資料によれば、譲渡株式数は普通株式1,520株(議決権所有割合100.0%)、譲渡価額の総額は32,500,000円です。対象会社は1996年8月設立、資本金10,000千円で、同社が発行済株式の83.5%、対象会社自身が自己株式として16.5%を保有していました。売上高は直近3期で255,830千円、253,840千円、231,817千円、営業利益は26,376千円、27,848千円、7,737千円です(出典:ソーシャルワイヤー株式会社 2024年10月1日公表資料)。

譲受先は2023年4月設立の人工知能の研究開発を行う会社で、同社の親会社が2024年9月末時点で譲受先の株式を11.5%保有しており、親会社の取締役1名が譲受先の取締役を兼務していると開示されています(出典:ソーシャルワイヤー株式会社 2024年10月1日公表資料)。

譲渡の理由として同社は、シェアオフィス事業を通じた海外展開を背景に2016年4月に対象会社を子会社化したものの、事業環境の変化に対応するため事業ポートフォリオの選択と集中の方針によりシェアオフィス事業を撤退するに至ったこと、対象会社の持続的成長に資する事業戦略の見直しをあらゆる選択肢を視野に検討した結果、人工知能の研究開発を事業とする譲受先へ譲渡することが最善と判断したことを挙げています。

出典: ソーシャルワイヤー株式会社(TDnet適時開示。TDnetでの公開期間が終了しているため、URLは株探が保存する原本PDF)「連結子会社の株式譲渡に伴う子会社異動に関するお知らせ」(2024年10月01日公表)

中小企業の経営者は、どう読むか

子会社にした理由そのものが無くなった、という譲渡です。もともと別の事業のために抱えた会社で、その別の事業から撤退したため、単独で持ち続ける意味が薄れました。買収の目的が失われたとき、抱え続けるか渡すかの判断が必要になります。

譲渡先として選ばれたのは、その技術をこれから伸ばせる会社でした。開示では「持続的成長に資する」ことを判断の軸に挙げています。手放す側が、事業と従業員の行き先を基準に相手を選んだ形です。

対象会社は自身の株式を一部保有しており、上場会社の持分は全部ではありませんでした。自己株式は議決権を持たないため、実質的には全株式を譲る形になります。自己株式がある会社では、持株比率の見え方と実際の支配が食い違います。

譲受先の株式を、譲渡する側の親会社が一部持ち、役員も兼務していました。関係のある相手への譲渡では、価格の決め方と決議の手続きを外から見て分かる形にしておく必要があります。

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本記事は、各社が公表した適時開示資料などの一次情報を当社が要約したものです。当社の成約実績ではなく、当社が関与した案件でもありません。記載の事実は公表日時点のもので、その後変更されることがあります。詳細は出典の資料をご確認ください。