トーヨーカネツは2024年10月4日、坂田電機株式会社の発行済株式のうち自己株式を除く全ての普通株式を取得する株式譲渡契約を、2024年9月30日に締結したと公表しました。決議は2024年9月24日の取締役会です。本件は適時開示基準には該当しないものの、有用な情報と判断して任意に開示するとしています。

開示された事実

譲受(買い手)トーヨーカネツ株式会社(6369・東証プライム)
譲渡対象坂田電機株式会社(土木・建築・公害関係の各種計測機器・試験機の開発・設計・製造販売、設置工事、建設コンサルタント業務)
所在地東京都西東京市
手法株式取得(自己株式を除く全ての普通株式を取得)
対価非公表(開示資料に取得価額の記載なし)
日程取締役会決議 2024年9月24日/株式譲渡契約締結日 2024年9月30日(公表 10月4日)/株式譲渡実行日 2025年3月3日(予定)

開示資料によれば、取得株式数は85,500株で、取得後の議決権所有割合は100%です。対象会社は1952年11月設立、資本金9,000万円、従業員118名(2024年2月現在)です。取得価額の記載はありません(出典:トーヨーカネツ株式会社 2024年10月4日公表資料)。

対象会社は防災・土木インフラ関連の計測技術を強みに、計測器の開発から設置までを手がけています。土中および水中でデータ通信を可能とする地中通信技術は、空港やダムなど大型構造物の沈下・変位量の計測に用いられていると記載されています。

取得の理由として同社は、自社の事業で環境調査・分析技術を中心に環境課題の解決に取り組んできたこと、対象会社を迎えることで環境事業を手がけるグループ各社と技術面・営業面で連携し、近年頻発する激甚災害への対策やインフラ設備の老朽化といった社会課題に貢献度の高い価値提供が可能になると判断したことを挙げています。

出典: トーヨーカネツ株式会社(TDnet適時開示。TDnetでの公開期間が終了しているため、URLは株探が保存する原本PDF)「坂田電機株式会社の株式取得に関する譲渡契約締結のお知らせ」(2024年10月04日公表)

中小企業の経営者は、どう読むか

契約の締結から譲渡の実行まで、半年近くが置かれています。条件を満たすための準備や引き継ぎに時間をかける形です。契約した日に会社が動くわけではないので、売る側も実行日までの間の経営をどうするかを決めておくことになります。

対象会社は創業から七十年を超え、自己株式を持っています。長く続いた会社では、過去に退職した株主から会社が買い取った経緯があることが多く、自己株式は議決権を持ちません。譲渡の準備では、現在の株主名簿と自己株式の有無をまず確認することになります。

買い手が具体的に評価したのは、土の中や水の中でデータを通す技術でした。用途が限られる代わりに、代わりがいない技術です。狭くて深い技術を持つ会社は、その技術を必要とする買い手にとって探しても他に無い相手になります。

開示は適時開示の基準に当たらないとしつつ、任意で公表されています。従業員百名規模の会社の譲渡でも、買い手の判断で公表されることがあります。逆に言えば、公表されない案件のほうが数としては多いということです。

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本記事は、各社が公表した適時開示資料などの一次情報を当社が要約したものです。当社の成約実績ではなく、当社が関与した案件でもありません。記載の事実は公表日時点のもので、その後変更されることがあります。詳細は出典の資料をご確認ください。