人材マッチングのプラットフォームを運営するクラウドワークスは2024年10月29日、株式会社インゲートの既存株主から議決権所有割合の100%を取得することを決議したと公表しました。
開示された事実
| 譲受(買い手) | 株式会社クラウドワークス(3900・東証グロース) |
|---|---|
| 譲渡対象 | 株式会社インゲート(人材紹介・採用支援・キャリアカウンセリング事業、ITソリューション事業) |
| 所在地 | 東京都新宿区 |
| 手法 | 株式取得(既存株主である個人2名から議決権所有割合の100%を取得) |
| 対価 | 2,400百万円 |
| 日程 | 取締役会決議・契約締結 2024年10月29日/株式譲渡実行日 2024年11月15日(予定)/借入の契約締結日 2024年11月13日(予定) |
開示資料によれば、取得価額は2,400百万円で、取得後の議決権所有割合は100.0%です。対象会社は2006年5月設立、資本金10百万円で、株主は個人2名がそれぞれ51.0%と49.0%を保有しています。純資産は直近3期で423百万円、606百万円、819百万円、売上高は1,217百万円、1,513百万円、1,566百万円、営業利益は175百万円、286百万円、299百万円です(出典:株式会社クラウドワークス 2024年10月29日公表資料)。
取得価額と同額の2,400百万円を金融機関から借り入れる予定で、借入の契約締結日は2024年11月13日(予定)、借入日は2024年11月15日(予定)、返済期日は2031年11月15日(7年間)です(出典:株式会社クラウドワークス 2024年10月29日公表資料)。
対象会社は2006年の設立以来、人材紹介事業で企業の人事戦略の強化支援を、ITソリューション事業で上流から下流まで一貫した支援を提供しており、両事業が採用や営業面で密接に連携していると記載されています。
取得の理由として同社は、自社のプラットフォームに登録するフリーランス人材が対象会社のITソリューション事業の開発・運用案件に参画できるようになること、自社の顧客基盤と採用面の強みを融合することで対象会社の人材紹介事業の収益成長も可能になることを挙げています。
中小企業の経営者は、どう読むか
株主が二人で、ほぼ半分ずつです。しかも一方は代表者で、もう一方も名前が開示されています。均等に近い構成では、二人の意思が揃わなければ動けません。共同で始めた会社は、出口の考え方を早めに合わせておくことになります。
売上は横ばいに近づいていますが、営業利益は伸び続けています。利益率が上がっている形です。売上の大きさより、どれだけ残るかを見る買い手には、こちらのほうが評価されます。
買い手が挙げた効果は、自社に登録している人を相手の案件に送ることでした。人を集める場を持っている側が、その人たちの行き先を買う形です。自社が誰かの持っている人や顧客の行き先になれるかという見方をすると、候補が広がります。
対象会社は人材紹介とIT開発を併せて営み、その二つが連携していることが強みとして書かれています。事業を二つ持つことが分散ではなく強みになっている例です。複数の事業を持つ会社は、その組み合わせに意味があるなら、そのまま説明する価値があります。
買収に必要な資金の全額を、同じ金額のまま金融機関から借り入れています。返済期間は数年にわたります。買い手が手元資金で買うのか借りて買うのかは、日程にも条件にも影響します。融資が前提の案件では、金融機関の判断が入るまで実行が確定しません。相手の資金の当てを聞くのは、失礼なことではなく確認すべきことです。