工作機械のDMG森精機は2024年11月1日、取締役会において、東証スタンダード市場に上場する連結子会社の株式会社太陽工機を完全子会社化することを目的とした公開買付けを実施することを決議したと公表しました。

開示された事実

譲受(買い手)株式会社DMG森精機(6141・東証プライム)
譲渡対象株式会社太陽工機(東証スタンダード上場の連結子会社)(研削盤の製造(工作機械))
所在地新潟県長岡市
手法公開買付け(TOB)。応募が集まらない部分は株式併合または株式等売渡請求により少数株主の株式を取得して完全子会社化する予定
対価1株1,700円(公開買付期間は30営業日。買付予定数の下限は932,200株=所有割合15.85%で、議決権の3分の2以上となるよう設定。上限は設定なし)
日程取締役会決議 2024年11月1日/公開買付期間 30営業日(決済の開始日の前営業日までに銀行融資を受ける予定)

開示資料によれば、同社は公表時点で対象者株式2,988,000株(所有割合50.81%)を所有しています。公開買付価格は1株1,700円で、買付予定数の下限は932,200株(所有割合15.85%)です。これは議決権の3分の2以上を所有することとなるよう設定したもので、応募株式の合計が下限に満たない場合は全部の買付けを行いません。買付予定数の上限は設定していません(出典:株式会社DMG森精機 2024年11月1日公表資料)。

価格の算定について開示資料は、営業利益の倍率や償却前営業利益の倍率といった類似会社との比較と、将来のフリー・キャッシュ・フローに基づく方法を用いたこと、対象者の事業計画では営業利益が857百万円から1,195百万円へと前期比で約39%の増益となる見込みであることを記載しています。公開買付価格1,700円は、提案日の前営業日の終値および過去1か月の終値平均にそれぞれプレミアムを加えた価格とされています(出典:株式会社DMG森精機 2024年11月1日公表資料)。

公開買付けの後に応募しなかった株主が残る場合は、株式併合または株式等売渡請求により対象者を完全子会社とする手続きを行う予定とされています。公開買付期間は30営業日と比較的長期に設定し、対象者の株主に検討の機会を確保するとしています。また、決済の開始日の前営業日までに銀行融資を受ける予定としています。

出典: 株式会社DMG森精機(TDnet適時開示。TDnetでの公開期間が終了しているため、URLは株探が保存する原本PDF)「株式会社太陽工機株式(証券コード:6164)に対する公開買付けの開始に関するお知らせ」(2024年11月01日公表)

中小企業の経営者は、どう読むか

すでに過半数を持っている親会社が、残りの株式を買い集めて上場をやめさせる形です。上場企業でしか起きない手続きですが、少数株主をどう扱うかという論点は中小企業でも同じです。過半数を持っていても、残りの株主がいる限り会社を自由に動かせません。

応募しなかった株主の株式も、最後は強制的に取得されます。株式併合や売渡請求という仕組みで、一定以上の議決権を得た側が残りを買い取れます。中小企業でも、株式が少数の他人に残っていると、こうした手続きを踏まなければ完全には整理できません。

価格の根拠として、類似する会社の利益倍率と将来の現金の流れの両方が使われています。一つの手法で決めるのではなく、複数の見方を並べて幅を出す形です。自社の価値を測るときも、方法によって答えが変わることを前提にしておくことになります。

買い手は決済の前までに銀行融資を受ける予定だと書いています。親会社であっても、残りの株式を買う資金は別に用意します。買い手が資金をどう用意するかは、日程に直結します。

公開買付けの期間を、必要な日数より長く設定したと明記されています。株主が判断する時間を確保するためです。売る側が考える時間を持てるかどうかは、相手の姿勢として見ておける点です。

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本記事は、各社が公表した適時開示資料などの一次情報を当社が要約したものです。当社の成約実績ではなく、当社が関与した案件でもありません。記載の事実は公表日時点のもので、その後変更されることがあります。詳細は出典の資料をご確認ください。